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株式の譲渡を制限する
株式会社を設立する場合に、まず定款を作成します。
株式会社設立スケジュール(PDF)
その際に、株式譲渡制限会社にすることをおすすめしています。
「株式譲渡制限会社」とは
本来、株式の譲渡は自由なのですが、それによって会社にとって不利益な人、ふさわしくない人が新たな株主になることも考えられます。
そこで、そのような人が株主になるのを防ぎ、経営の安定のため、定款に「株式の譲渡については株主総会の承認を要する」という株式の譲渡制限の規定を置くことができます。
(承認機関は、株主総会のほか、取締役会、代表取締役の場合もあります)
その中で、全部の株式についてこのような制限を設けている会社を「株式譲渡制限会社」と呼んでいます。
簡単にいいますと、株式の売買を勝手に行うことを禁止する規定をおく会社のことです(一部だけの制限の場合には株式譲渡制限会社とはいいません(公開会社になります))。
なお、この規定は定款に記載し、登記もする必要があります。
株式譲渡制限会社にすると、次のようなメリットがあります。
1 取締役会を置かなくてもいい
…取締役会を置く会社ですと取締役は最低でも3名選任する必要があります。
株式譲渡制限会社にすれば、取締役会を置かなくてもよいことになります。
つまり、取締役は1名でも株式会社をつくることができるということです。
2 取締役の任期を最長10年まで延ばすことができる
…取締役の任期は原則2年です。
株式譲渡制限会社にすれば、定款に定めて、任期を最長10年に延ばすことができます。
ただし、10年にした場合で、10年経過する前に理由もなく取締役を解任した場合には、その取締役から残りの期間の報酬分の損害賠償請求を受ける可能性がありますので、注意が必要です。
譲渡制限会社(非公開会社)でも取締役の任期を終身とすることはできません。
3 取締役の資格を株主に限定することができる
…株式譲渡制限会社にすれば、取締役の資格を株主に限定することができます。
取締役には必ず自社の株式を持たせることによって、責任を自覚させることができます。