[ テーマ: 本・映画の中の会社設立 ]
2017年8月13日15:58:00
飲食店(とくに居酒屋)巡りが好きで、そのうち飲食業に興味をもち始めたので、こんな本を読んでみた。
ちなみに、居酒屋巡りのブログはこちら → 西尾努司法書士事務所/OFF
1億稼ぐ!飲食店「週末」起業 なぜ私は現役サラリーマンのまま飲食店起業に成功したのか?/高樹公一/技術評論社
著者は、「サラリーマンをやりながら、小さくはじめて、大きく育てる」をモットーに飲食店業で起業された現役サラリーマン。
都内でラーメン店と串焼きダイニングを計4店舗経営されているそう(高樹氏のブログより…2013年現在)。
著者が考える飲食店のメリット・デメリットは…
メリット…
1.誰でも参入できる(FCパッケージ充実)
2.粗利率が高く、事業拡大しやすい
3.人に任せることができる
デメリット…
1.初期投資が大きい
2.季節や曜日に変動しやすい
3.人に依存しなければ成り立たない
飲食店業を始めるというくらいですから、著者に、過去に飲食店で働いていた経験があるかといえば、本業は電機メーカー勤務で、飲食業の経験は大学時代のアルバイトのみ。
それに、資金も大してない(というより、マイナス)上、サラリーマンをしながらですから時間もなかったというから驚きです。
「経験もなく、カネもなく、時間もない」という状況でできることを探した結果、たどり着いたのはフランチャイズへの加盟でした。
お店を出すにあたって必要になる開業資金は、サラリーマンをしているため、その信用で金融機関から容易に借りることができ、「サラリーマンの信用ってすごい」と感じたそうです(その信用を利用するためサラリーマンのままでいることが重要だったとか)。
ちなみに、著者はこの本の中で、飲食店をするのなら、長期的にみて、個人事業主としてではなく法人化をすすめています。
法人化のメリットとしては、
1.社会的信用が大幅にアップする
2.(会社の)兼業禁止規定に触れづらい
3.店舗を借りるときも信用度が高い
4.資金調達が有利になる
5.出資金の範囲で有限責任になる
6.大企業にも信頼される
7.助成金が受けやすくなる
8.税務上のメリットも大きい
の8つを挙げられていました。
このメリットの中で、私がとくに興味をもったのは、「2.(会社の)兼業規定に触れづらい」ということでした。
以前は当たり前だった「兼業禁止」も、最近では、「兼業するには許可が必要」という流れになってきているようですが、「兼業」について気をつけなければならない点は、著者は、
1.会社のノウハウやお客様を副業先の相手企業などに漏らさない
2.会社の競業となる副業を選ばない
3.勤務時間中に副業で働かない、本業に悪影響を与えない
この3つを挙げています。
許可制であれば、正式に許可を得て始めればよいのですが、会社の就業規則などで、兼業禁止(副業禁止)とされている場合でも、配偶者やパートナーを会社の代表者にして、自分は株主になるという方法を取り入れることによって禁止規定に抵触するのを防ぐことができるといいます。
具体的には、
(1)株式会社の場合…発起人としてサラリーマンである自分を、代表取締役に配偶者を置き、
(2)合同会社の場合…社員として自分と配偶者を、代表社員として配偶者を置く
ということになります。
* 発起人や社員は、登記事項ではないため、登記簿謄本(全部事項証明書)には記載されません。
実際、当事務所にも現役サラリーマンの方から、配偶者を役員(代表取締役、代表社員)にして会社を設立したいというご依頼が少なくありません。
その時の業種は「不動産投資、不動産オーナー」がほとんどなのですが、飲食業をはじめ、その他の業種で起業される方にも、その方法が使えそうですね。
まずは、会社設立にかかる費用が少なくて済む、合同会社を設立するとことから始めるのもいいのかもしれません。
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