[ テーマ: 商業登記 ]
2018年12月18日13:50:00
ほぼ外食の生活を送っているため、毎日、いろいろな飲食店に行くのですが、中には、店内で本業の飲食店のほかにほかの商売をしているお店もあり、いろいろ興味がわきます。
たとえば、
(1)何年も前から、奥多摩方面にツーリングに行く際、必ず立ち寄る喫茶店。
指物師(木工品の職人)でもある店主が経営する工房とギャラリーを兼ねた喫茶店です。
もともとスナックだったところを、たまたま今の店主が見つけて、すぐに大家さんに連絡を取り、内装からすべてご自身で手がけて始めたという話です。
(2)また、中野にあって、数年前から存在だけは知っていたのですが、なかなか入る勇気がなかった飲食店。
ヘア&まつ毛エクステと飲食店を兼業している不思議なお店、「施術中だったらどうなるの?」「そっちのお客さんとこっちのお客さんがどうやって中で過ごしているのか」など心配ごとが多くて入れなかったのですが、先日、勇気を出して入ってみました。
まつ毛エクステと同じスペースで食事をするのですが、まつ毛エクステは予約制のため、双方のお客さんが同時にいることはまずないらしい。
(3)そして、高円寺にあるスナック。
こちらは夜はスナック、昼はもともとここのお客さんだった会社経営者が事業を他人に譲り、昼間空いているお店のスペースを借りて、カレーや焼きそばを提供しているのだそう。
スナック側から見れば、有料でお店のスペースを貸しているのかもしれません。
今回、ご紹介した3店は、法人形態なのかどうかはわかりません(おそらく個人事業だと思います)が…
もし、株式会社で、後から別事業も始めたと仮定したら、定款(会社の目的)に何と書いてあるのか気になるところです。
たとえば、(1)の喫茶店であれば、「喫茶店及び飲食店の経営」「木工製品の製造及び販売」「ギャラリーの経営」とか、
(2)の飲食店であれば、「ヘア、まつ毛パーマ及びエクステンションのサロンの経営」「飲食店、スナック及びバーの経営」とか、
(3)のスナックであれば、「スナック及びバーの経営」「ビル内スペースの賃貸及び管理」とか。
ところで、会社の目的は、定款に記載しなければならない事項(絶対的記載事項といいます)であり、登記事項とされ、会社の権利能力は、定款に定められた目的の範囲内に限定されています。
よく、「目的の範囲を超えて事業を行った場合、罰則があるのか」と聞かれますが、会社法等にはそれに対する罰則規定はありません。
罰則はありませんが、出資者や会社債権者から見れば、定款記載の目的のために会社の財産が運用されることを期待しているでしょうから、定款にない事業を始めるのであれば追加すべきです。
なお、目的に掲げた事業以外から得た利益があった場合、法人税法上は、それも課税対象となっているようです(税に関する正確なことは、税理士、税務署等にお問い合わせください)。
ということで、
もし、本業以外にも別の事業を行う場合、あらかじめ予定しているのであれば、会社設立時に定款に将来行う事業も盛り込んでおくことをおすすめします。
また、後から路線を変更して...というのであれば、定款の規定を変更をして目的を追加することもできます。
具体的には、株主総会を開催して定款を変更し、その旨、変更登記を申請します。
これもよく聞かれることですが、目的の変更の登記費用(登録免許税)は、一度の変更で3万円となり、追加する個数、削除する個数は関係ありません。
また、数に上限はありません(ただし、多すぎると怪しいとしか思われませんので、逆効果です。
定款変更手続きについて、電話によるご相談・お問い合わせ・お見積の依頼(無料)は、
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
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