[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2008年11月16日10:38:00
会社設立のご相談の中で多いのが「資本金の金額」です。
資本金の額が大きいほうが対外的な信用力があるのはわかるが、それだけの資金が用意できない・・・今は1円でも設立できると聞きましたが、実際はどうなんでしょう?
という感じです。
たしかに、今は1円でも株式会社、合同会社を設立することは可能な時代です。
(誤解されている方も多いのですが)1円で起業しても、数年後に300万、1,000万円に増資する必要はありません。
だからといって、どんな会社にも1円起業をおすすめできるわけではありません。
1円でも設立できる会社と1円はやめておいたほうがいい会社があります。
たとえば・・・
資本金1円で起業したことが不都合となるケースを1つご紹介します。
それは、取引について交渉している相手先から「登記簿謄本(全部事項証明書)」の提出を求められるケース。
相手が大手の会社になればなるほど、取引先の登記簿謄本を取得して、取引できる相手かどうか調査されます。
資本金額が極端に少額ですと、「資本金が少ない=信用力がない」と判断されてしまい、なかなか取引に応じてくれないというケースが少なくないのです。
これまで取引歴がなければ、なおさらです。
経営者がどんなに優れていても、会社の規模などの外形的な体裁に左右されるのは避けられないのが現実なのです。
そういう業種・業界でビジネスを始めるのであれば、1円で起業するのは難しいでしょう。
それなりの資本金を用意すべきです。
ただ、逆にいえば、取引先が個人事業をしているときから付き合いがある場合や、取引先が規模が大きくない中小企業であれば、さほど問題にはならないといえます。
当事務所にご依頼いただいて設立した会社の中でも資本金1円の会社は何社かありますが、それらの会社は、もともと個人事業からスタートしており、すでに会社設立の段階では取引先を開拓する必要がなかった会社、もしくはもともと資本がいらない業種の会社がほとんどです。
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