[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2018年2月6日11:38:00
司法書士を始めて10年以上経つのですが、何度やっても慣れないというか、毎回、とても悩まされる場面がいくつかあります。
その1つは、会社を設立する登記を申請する仕事の中で現れるのですが―
会社の設立日は、設立登記を申請した日のことであり、土日祝日等法務局がお休みの日を除いて申請する側で自由に決めることができます。
そのため、お客さまのなかには、設立日は大安吉日にしたいとか(少なくとも仏滅は避けたいとか)、一粒万倍日にしたいとか、社長の誕生日やその他の記念日に合わて欲しいとおっしゃる方が少なくありません。
今回、株式会社の設立登記のご依頼をいただいたのですが、設立日を2月6日(水曜日)にして欲しいというご要望がありました。
ということで、前日までに、各書類へ押印をいただき、公証役場で電子定款の認証手続きを受け、
あとは6日の当日に登記を申請するだけ(事前に申請はできません)、の状態にして準備を済ませ…
6日当日に事務所のパソコンからインターネットを利用して登記をオンライン申請するだけなのですが…
ここで、何度やっても慣れない、毎回、とても不安になる場面が現れます。
それは、設立日として指定された日の朝に毎回発生するのですが、
ホントに今日は6日なのか
これが不安で仕方がないのです。
数字が羅列されているカレンダーを見ても解決しない(?)ため、パソコンや携帯、テレビなどで調べたり、これを数回繰り返したうえ、
さらには、「ホントに今回の依頼は2月6日で正しいのか」まで遡り、過去のメールのやりとりをチェックし、直前に設立日の変更の連絡がなかったか、を確認します。
それでやっと気持ちは登記申請へと向かうのですが、今度は入力した申請先の法務局が正しいかどうかが気になって何度もチェックしてしまいます(申請先を間違えるとアウトですから)。
今回は、本店を置く住所、管轄法務局のどちらも馴染みがあるので安心だったのですが、中には、小岩・新小岩、江古田等似たような町名で区が違ったり、法務局に区名がついていない城北出張所、城南出張所や多摩市の管轄が府中支局(別に西多摩支局がある)になっていたり、区名がついているのに別の区の管轄になっている渋谷出張所(目黒区の管轄でもある)、北出張所(荒川区の管轄でもある)など、こういうのにとても不安にさせられます。
ということですが、とりあえず、本日指定の会社の設立登記の申請を無事に終え、ホッとしています。
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[ テーマ: 合同会社設立手続き ]
2018年2月20日12:03:00
有限会社、合同会社について相談したいというご連絡をいただき、練馬区へ行ってきました。
当事務所は中野区にあるため、練馬なら30分程度で行けると油断していたのですが、最寄の駅を調べると、「保谷」だと知って訪問時間の1時間前に慌てて出かけました。
まさか、保谷(西東京市)と練馬区が隣接していたなんて…
慌てて事務所を飛び出したものの、訪問先は練馬区には変わりはなく…結果的に早く着きすぎてしまった。
ランチでも、と思ったのですが、保谷駅のこっち側には飲食店はラーメン屋さんが2店舗くらいしかなく、しかも1つが定休日、残る1つは家系ラーメンでちょっとパス。
仕方なく、近隣を散歩しつつかなり遠回りして向かいました…
(練馬らしい風景)
お約束の時間になり、ご相談者にお会いしたところ、今回のご相談は、今、ある有限会社の商号や目的、役員を変更して別事業を始めたいということでした。
登記簿謄本を拝見しつつ、お話を伺うと...商号、目的、役員を変更するにはいろいろな問題点があることがわかりました。
有限会社を変更することについて、事前に法務局の登記相談にも行かれたそうですが、具体的な内容で相談されておらず、詳しくお話を聞いていくと、隠れた問題点が山積みだということがわかりました。
なので、新規で会社を設立する方法も提案したところ、「それなら有限会社を」というご要望でしたが、現在、新規で有限会社を設立することはできず、会社を設立するなら株式会社、または費用をかけず(株式会社の3分の1程度)に簡単に設立できる「合同会社」があることもお伝えしました。
有限会社を活かすか、別に合同会社(又は株式会社)を設立するかはその場では結論が出ず、検討してご連絡いただけることになりました。
ひと仕事終えて、保谷駅の反対側に出て遅めのランチ。
煮物定食。
白っぽい四角いものが謎で…じゃがいも?豆腐?きのこ的なヤツ?…何だろうと口に入れてみると、正体は「はんぺん」。
実は、はんぺんの食感が苦手で…食べられないわけではないので、食べましたけど(涙)。
この日、「練馬区は保谷と隣接していること」、「苦手な『はんぺん』は注文しなくても突然姿を現すこと」を学びました。
登記に関するお問い合わせは―
電話によるご相談は、 03-5876-8291 または、
司法書士西尾直通電話 090-3956-5816 (ソフトバンク)
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[ テーマ: 株式会社 定款変更 ]
2018年2月21日12:22:14
先日、株式会社の定款変更登記のご依頼をいただきました。
具体的には、定款の「商号」と「目的」を変更する登記手続きの依頼です。
新規で飲食業を始めるので、現在の飲食業からかけ離れた会社名をそれっぽく変更し、目的に「飲食店の経営」を加えたいというお話でした。
飲食業を始めるにあたり、金融機関から融資を受ける計画だということで、そちらのスケジュールに合わせて手続きをすすめることになったのですが―
その準備をすすめていくうち、ご相談者様からこんなメールをいただきました。
「融資先の要望で、まず定款変更をし、融資を実行した後に、商号を変更して欲しい」
これを見たとき、株主総会で「商号」「目的」を変更する定款変更決議をし、融資を実行した後に、変更登記を申請するのかと思いました。
商号、目的の変更は、株主総会の決議がされた時点で変更の効力が生じ、その登記は後付でそこから2週間以内にするというルールがありますので、2週間以内に融資が実行され、すぐに登記を申請すれば特に問題はない(仮に2週間過ぎても登記申請は受け付けてもらえます)のですが…
ですが、メールを読み返すと、「定款変更をし…商号を変更…」と書かれており、目的変更の登記は??という疑問が生まれたため、メールで返信するのではなく、直接、電話でお伝えすることにしました。
すると―
「定款変更」の「定款」は「目的」のことを指し、目的変更登記を先にして、融資実行後に商号変更登記をして欲しい、という意味だったことがわかりました。
すで融資の話は進んでいるため、商号変更によって関連する書類などを全て新商号のものに差し替える必要があるから、それを避けるために目的変更だけを先にしたいという事情があるそうです。
「目的変更」=「定款変更」と勘違いさている方が多いのは、「司法書士あるある」で、ご相談を受ける際、時々、お互いが混乱するのですが(笑)、
「定款」には、①商号、②目的、③本店の所在地、④株式に関すること、⑤株主総会に関すること、⑥役員に関すること、⑦会社の計算に関すること…などが盛り込まれており、
定款=目的 ではなく 定款>目的 ということで、今回は、定款の中の、①商号と②目的を変更する手続きをすることになります。
それはそうと、
目的変更を先にして、後から商号変更の登記手続きをすることは可能ではあるのですが(同時でも別々でも登記申請は可能)、1つ大きな問題があります。
それは、登記費用(とくに登録免許税)の問題です。
変更登記を申請するには、登録免許税(印紙代)がかかるのですが、
商号変更 3万円
目的変更 3万円
と、それぞれ3万円かかるのですが、商号と目的を同時に変更する登記を申請した場合には、6万円ではなく3万円納めればよいとされています。
これを別個に申請すると、商号変更の3万円と目的変更の3万円の計6万円を納めなければならず、同時か別かで3万円もの差が生じます。
もちろん、司法書士報酬も変わります。
以上の点をご相談者様にご説明したところ、その差は大きいということで、融資先に相談してみるということになりました。
手間(書類の差し替え)をとるか、費用(登録免許税3万円他)をとるか、悩ましい問題です。
商号、目的など定款変更登記に関するお問い合わせは―
電話によるご相談は、 03-5876-8291 または、
司法書士西尾直通電話 090-3956-5816 (ソフトバンク)
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[ テーマ: 登記全般 ]
2018年2月24日11:47:00
先日、ある会社から定款変更登記のご依頼をいただきました。
すぐにその会社を訪問し、株主総会等の日時、決議内容など、定款変更に必要な情報を聴取、持ち帰って作成した書類に後日押印の後、郵送で送っていただくよう依頼したところ、まもなくその書類が届きました。
開封すると…
えっ!!!
議事録その他の書類に押捺された印鑑の一部は赤色、残りは黒色。。。
前日、依頼人から、「送る書類はコピーをして、会社に保存しておいたほうが良いのか」というご質問があり、とりあえず原本は預かるので、念のためコピーして手続きが完了するまで保管しておいたほうがよい、と伝えたことを思い出し、
もしかすると、「コピー」の仕方がうまく伝わらなかったのかも、依頼人は平成生まれだしもしかすると昭和の感覚と違うのかもしれないし、と慌てて依頼人に連絡をとりました。
すると―
「会社の印鑑は黒色、個人の印鑑は赤色で押してあるだけで、送った書類はすべて原本」
だということでした。
なるほど・・・(汗)
実のところ、登記手続きで使用する書類について、「印鑑」に関する規定はいくつかありますが、押す印鑑の色の指定はありません。
すぐに、昔、司法書士を目指して通っていた資格予備校の講義で、現役の司法書士でもある講師が雑談の中でこのことに触れていたことを思い出しました。
「依頼があれば、緑色でも青色でも、ダメだという規定がないのだから、それで申請してみたい」
実際にやったことはないが、依頼があればしてみたい的な話をされていたと記憶しています。
まさか、それを自分がすることになろうとは…
とはいえ、いくらダメだという規定がないからといって、申請して手続きが中断したりすると時間がもったいないので、事前に管轄法務局に相談しました。
結局、「印鑑の色について制限はないものの、とくに「黒色の印鑑」はコピーかどうか見極めるのが困難だ…なので、これから押捺するのであれば避けて欲しいが、すでに押捺済みの書類があるのであれば、申請されても却下はできない。」という回答でした
が、印鑑は黒色で押されていてコピーのようだが、コピーではない旨、代理人司法書士が一筆書いて欲しいという。
紙の裏を見たり、ちょっと表面をこすったり、水で濡らしてみるなどして確認し、一筆加えることにしました。
今回のことで、書類に押印する印鑑は赤色(朱肉色)というのは、勝手に自分が常識だと思っているだけなのだということをガツンと思い知らされました。
印鑑は(品質のよい)朱肉を利用して押すということも一般的なことではないということも先日気づかされましたし…
印鑑は、欠けることなく鮮明に決められた位置に押すということも伝えなければ伝わらないことも気づかされました。
その他の失敗事例 登記の書類の押印時に起きるこんな失敗
これからは、「印鑑」が身近ではない若い経営者も多くなりますし、依頼人は日本人とは限りませんし、きちんと説明しなければならない時代になっているようです。
印鑑は、 シヤチハタ(浸透印)を使用せず、 付着したほこり、ゴミなどを取り除き、 品質の良い朱肉を使い、 赤やその他の色のスタンプ台は使用せず、 印影が欠けないように押し、 鮮明に押し、 定められた枠内にはみ出ないように押す。
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お願いしたいと思います。
でも…本音の部分で、大人相手に、こういうことを伝えるのは失礼に当たらないか、心配になります。
* ちなみに、後日、この登記は無事に完了しております、念の為。
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[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2018年2月26日11:31:00
会社設立手続きのご依頼をいただく際、これは株式会社、合同会社の両方に当てはまることなのですが、依頼人から、
「定款はすでに作成済みです」
と伝えられるケースが少なくありません。
こちらとしては、設立する会社についてある程度決まっているということですので、助かる反面、こちらで作成したものではないため、一言一句チェックしなければならず、それなりの負担があります。
中には、定款は作成済みだから、報酬を値引いてくれという交渉をしてくる方もいらっしゃって、なかなか対応が難しかったりするのですが…
それはさておき、お会いして打ち合わせさせていただく際、作成済みの定款を拝見させていただくと、事業目的を並べた一覧表のようなものを手渡され、(あ、そうか…)と思うことがよくあります。
このブログでもたびたび触れていることですが、依頼人などの一般の方が認識している「定款」と、司法書士が認識している「定款」が一致していないのです。
依頼人が「作成済みの定款」と呼んでいるものは、定款の記載事項の一部、一般的に定款の第2条に規定している「目的」のみであることが多いのです。
定款の例 (第2条に「目的」の規定があります)
実のところ―
打ち合わせで最も時間がかかるのは、この「目的」を決めることですし、それが固まっているだけでもこちらとしては大変助かるので、定款は完成していなくても、とてもありがたいというのが正直な感想です。
それに、作成されたのが「(正しい)定款」だった場合には、一言一句チェックしなければならないところ、作成されたのが「目的」のみであれば、こちらの負担も軽くなります。
なので、それはそれでうれしかったりします。
…なんて書いてきましたが、これから会社を設立しようとお考えの場合、事業内容を定款にどう書くかわからないというご心配は不要です。
口頭等でご説明いただければ、こちらでまとめさせていただきますのでご安心ください。
会社設立登記に関するお問い合わせは―
電話によるご相談は、 03-5876-8291 または、
司法書士西尾直通電話 090-3956-5816 (ソフトバンク)
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[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2018年2月27日10:15:00
毎年、2月から4月上旬までは、会社の設立登記のご依頼が増える時期です。
日本では、4月から何か新しいことを始めるという方が多く、会社を設立して起業しようという方も少なくありません。
4月から会社をスタートさせたいという方へ、ちょっとアドバイス。
会社を設立するための登記手続きは、その日に準備を始めて、その日中に完了するわけではありません。
1.株式会社の場合
定款、その他書類を作成して、公証役場で定款の認証を受け、資本金を払い込み、法務局に会社設立登記の申請をしなければなりません。
申請したからといって、その場で完了することはなく、通常、登記手続きが完了して登記簿謄本の交付を受けるまで、3日から10日程度かかります(とくに、年度末にあたる3月末前後は申請件数も増え、法務局の手続きも遅れがちになります)。
* 2018年3月12日より、会社設立登記手続の優先処理がスタートし、法務局内の会社の設立登記手続は、原則として申請から3日以内に登記が完了するようになるそうです。
そのあと、その登記簿謄本や法人の印鑑証明書等をもって金融機関に行き、法人口座を開設することになります。
金融機関によって期間は異なりますが、口座開設まで1週間程度かかるところもあると聞きます。
2.合同会社の場合
合同会社の場合には、株式会社と異なり、公証役場で定款の認証手続きを受ける必要はありません。
定款、その他書類を作成して、資本金を払い込み、法務局に会社設立登記の申請をすれば合同会社を設立することができます。
といっても、申請後にかかる期間、金融機関で法人口座を開設するまでにかかる期間は株式会社と同じですが。
いずれにしても、4月1日から本格的にビジネスをスタートさせたい方は、3月中に準備をし、登記申請まで行っておくことをおすすめします。
なお、会社設立登記を申請した日が会社設立日となりますので、会社設立日をどうしても4月1日にしたい方は、ビジネスのスタートが登記手続きが完了し、法人口座を開設できるまでの期間、半月から1か月遅れることを覚悟しておきましょう。
会社設立登記に関するお問い合わせは―
電話によるご相談は、 03-5876-8291 または、
司法書士西尾直通電話 090-3956-5816 (ソフトバンク)
[ テーマ: 本店移転登記 ]
2018年2月28日13:27:00
東京M区から大阪府大阪市へ会社の本店を移転する登記手続きの依頼をいただきました。
その本店移転登記の依頼をいただくにあたり、2つのご質問をいただきました。
質問1 本店の移転は4月1日を予定しているが、それまでに登記手続きを完了させてもらうことは可能か。
・・・ ムリです。
本店移転登記は、移転する前に申請することができないからです。
実際に本店機能が移転先に移ってから申請することができるようになるため、4月1日に移転した後に申請することになります。
また、今回のように、東京から大阪へ移転するような管轄法務局が変わってしまうケースでは、東京、大阪と順に(同時ではなく)手続きされるため、商号や役員の変更登記以上に時間がかかってしまいます。
ちなみに、これもよく聞かれることですが、移転する日と登記申請日を同日にする必要はありません。
移転する日を決定した時点で移転が確定しており、登記の申請は移転の効力とは無関係な事後の手続きです。
なお、移転から2週間以内に登記を申請するのが原則ですが、2週間を超えても「移転した日」で申請をすることができます。
質問2 大阪に移転するが、大阪の法務局に出張するのか?出張費はかかるか?
…今回の申請で、司法書士が移転先の法務局に出向くことはありません。
管轄法務局が変わる本店移転登記は、大阪への申請も合わせて東京(M区)の管轄法務局に申請するからです。
もっといえば、M区を管轄する法務局にも行くことはありません。
事務所からインターネットを利用してオンライン申請方式でするため、出向かなくても申請することができるからです。
ちなみに、その場合には申請した後に議事録などの書類は法務局に郵送します。
もっとも、1日でも早く手続きをして欲しいという方のために、書類の郵送の時間を短縮するために出向くことはあります。
ということで、東京から大阪へ本店を移転した場合でも、中野区から新宿区へ移転した場合でも登記費用は変わりません。
本店移転登記について、電話によるご相談・お問い合わせ・お見積の依頼(無料)は
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
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