[ テーマ: 本・映画の中の会社設立 ]
2019年5月31日11:04:00
仕事が若干落ち着いたので、昨夜、録画していた映画「ドライブ・アングリー (字幕版)」を見ました。
ちょっとオカルト的な要素が入ったアクション映画で、劇場公開時は3Dで上映されたのですが、ふつうにテレビで見ても、カーアクションをはじめ、アクションシーンは見応えがありました。
それはそれとして、最初のほうで職業柄(?)、気になるシーンがあり、それがずっと最後まで謎として頭の中から消えませんでした。
それは―
ニコラス・ケイジ演じるミルトンを追う、ウィリアム・フィクナーが演じる謎の男の登場シーン。
「あんたは?」と聞かれて、謎の男は、
「監査役だ」と答える。
夜中、ボーッと見ていたので、見間違いかと思ってちょっと戻して見たところ、やはり、字幕は「監査役」となっています。
現在5月後半、これから6月にかけて3月末決算の株式会社で定時株主総会が開催され、役員変更の登記手続きに追われている関係でどうしても「監査役」ということばには敏感になってしまいます。
それに、「あなたは誰ですか?」と尋ねれて、「監査役だ」という答える場面は実生活でもそうないので、とても新鮮に映り、謎の映画に目が釘付けになりました。
その後も、
同じように「監査役だ」と自己紹介するシーンがあり、ますます本編よりも「監査役」と主役のミルトンとの関係のほうが気になり始め…
というのも、「監査役」というのは、「取締役」とか「代表取締役」といった会社の役員に付けられる肩書きで、どんな仕事をするのかについては、会社法第381条第1項に、次のように規定されています。
「監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。」
つまり、監査役は、
・ 取締役が法令、定款(ていかん)、株主総会や取締役会で決定した事項を守っているか
・ 会社の利益のために忠実にはたらいているか
をチェックするのが仕事です。
監査役が取締役の職務の執行を監査するということは、ミルトンと監査役の謎の男は同じ会社の役員なのか…ミルトンは取締役なのか…
2人の関係性がよくわからないまま、ラストを向かえます。
そのままエンドロール。
「・・・」
「監査役」は誤訳だったのでしょうか??
気になって、Wikipedeiaを確認したところ、キャスト欄には、ウィリアム・フィクナーは「監査役」として掲載されていました。
が、しかし、ストーリー欄には、「監察官」となっており、どうやらこっちが正しいようです。
他にもいろいろ映画サイトを見たのですが、一部では「追跡者」「FBIを名乗る男」と紹介されているものの、「監査役」となっているものは多く、劇場公開時の字幕も「監査役」だったのかもしれません。
謎が残るサスペンス映画でした。
追伸―
最近、インド映画「ムトゥ踊るマハラジャ」を見ました。
劇場公開時から、5,6回見ているのですが、何度見ても飽きません。
見るたびに新しい発見があるのですが…今回は、
この字幕がどこまで正確なのかわかりませんが、インドの不動産にも「登記」手続きがあるんだな、と。
これまでサラッと流していましたが、司法書士を続けているとこんなところでひっかかってしまいます。。。
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