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本店移転登記をする際に住所を誤ってしまった場合

会社の本店移転登記を申請する際、移転先の住所を証明する書類(賃貸借契約書など)の提出は必須とされていないため、法務局への申請時に住所を誤って登記してしまうケースが少なくありません。

(よくある誤りの事例)

・事例1:「地」と「池」、「富」と「冨」など、漢字の表記ミス

・事例2:「Ⅱ」と「Ⅲ」など、マンション名やビル名に含まれる数字の誤り

・事例3:「1丁目1番10号」を「1丁目10番1号」とするような単純な転記ミス

・事例4:本来入れる予定のなかったマンション名を誤って入れた、あるいは逆に入れ忘れたケース

このように、誤って登記されてしまった住所を正しい情報に訂正する場合、再度「本店移転登記」を申請するのではなく、その誤りを正すための「更正登記(こうせいとうき)」を申請することになります。

 

更正登記が認められる基準(更正前後の同一性)

本店の更正登記を申請する上で、最も重要な論点は「更正前後の同一性」です。

登記の更正は、更正前と更正後の登記事項の間に同一性がある場合に限り、許されるとされています(先例:昭和34年7月21日民事甲1479号回答)。

・更正登記が認められるケース

同一のビル内の階数違いや、同じ町内での地番・住居表示の軽微な誤記など、客観的に見て「単なる誤記・入力ミスである」と認められ、前後の住所に同一性が認められる場合です。

 

本店住所の更正登記に必要な書類

更正登記の申請には、登記手続きにおいて「錯誤(さくご)」または「遺漏(いろう)」があったことを証明する書類を添付する必要があります。

1.管轄法務局に対する上申書

登記原因に錯誤があった経緯や事情を説明する書類です。

決まった書式はありませんが、会社の代表者印(法務局届出印)の押印が必要となります。

当事務所で手続きをご依頼いただいた場合は、事情を伺いながら作成を全面的にサポートいたします。

2.錯誤を証明する書面

当初、正しく本店移転を決議していたことを証する「株主総会議事録」や「取締役会議事録」、「取締役の過半数の一致を証する書面」などが必要です。

3.司法書士への委任状

手続きを司法書士に委任される場合に必要となります。

 

更正登記の注意点(履歴は残ります)

更正登記を申請することで住所を正しく訂正することはできますが、誤ってなされた元の登記が登記簿上から完全に消えるわけではありません。

履歴事項全部証明書(登記簿謄本)を取得した場合、履歴事項として、過去に誤って登記された住所(下線等が付されます)と、錯誤によって更正された後の正しい住所の両方が記載されます。

過去に誤った登記がなされたという事実の履歴は残る点にご注意ください。

 

本店住所の更正登記にかかる費用

 更正登記にかかる実費および報酬は以下のとおりです。

1.登録免許税 : 2万円

更正登記の登録免許税は、1件につき2万円と定められています(根拠法令:登録免許税法別表第一第24号(一)タ)

2.司法書士報酬 : 2.2万円(税込み)

3.実費

登記申請時や各種書類納品時の郵送料、事後確認のための登記事項証明書取得費用などの実費が別途かかります。

  → 実費の内訳はこちら

 

もし、登記手続き中(完了前)に誤りに気づいた場合

申請した登記が完了してしまうと更正することになりますが、完了前に間違いに気づいた場合には、その時点で法務局に連絡をして手続きを中断し修正することができます。

 → 登記申請中、完了する前に本店住所が間違っていたことがわかった!

 

法務局のミスで間違った住所が登記されてしまった場合

まれに法務局が間違えて登記をすることもありえます。

その場合には、申請した法務局に連絡をとり、訂正してもらいます。

 → 本店移転登記を申請したが、住所が間違えて登記されてしまった!

 

 執筆:司法書士 西尾努

(※本記事は一般向けの解説です)

 

会社の所在地が東京以外であっても、司法書士が法務局に現地の法務局に出向く必要はなく、オンライン申請で行うため全国対応可能です。

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