[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2018年12月17日15:47:00
今朝のニュースで、親子起業スタイルという方法で設立した会社があるということを知りました。
親子起業スタイル?
この中学生の加藤路瑛氏が名付け、提唱している業スタイルのことで、親が代表取締役となり、子(未成年者)が取締役(社長)となって、親子で株式会社を設立するという方法だそうです。
登記手続き上、以下のような問題点をクリアしており、いろいろと参考になります。
取締役の資格については、欠格事由に当たらなければなれるとされおり、未成年者でも取締役には就任することができます。
ただし、取締役が、取締役会を構成して会社の業務執行の意思決定に参加することを建前にしている点から、意思能力のない未成年者(10歳未満?)を取締役にすることは不適当だと思われます。
未成年者が取締役に就任するには法定代理人(親権者、後見人)の同意が必要です。
なお、未成年者が取締役に就任する登記を申請する際には、通常の書類(株主総会議事録、就任承諾書その他)のほかに、法定代理人の同意を得たことを証明する書面と法定代理人の資格を証明する戸籍謄本などが必要になり、
それらに加えて…その株式会社が取締役会を設置しているかしていないかで添付書類の取り扱いが変わるのですが…
(1)取締役会非設置会社の場合
取締役の印鑑証明書の添付が必要とされています。
取締役が15歳未満の未成年者の場合には、印鑑登録ができないため、印鑑証明書を取得することができず、登記手続きができません。
そのため、親子起業スタイルには不向きです。
(2)取締役会を設置会社の場合
本人確認証明書として住民票等を添付すればよく、印鑑証明書は不要のため、取締役の登記をすることが可能です。
ただし、この場合には、取締役3名、監査役(又は会計監査人)1名、最低でも4人の役員を置かなければなりません。
代表取締役になる場合には、取締役会非設置会社であっても、取締役会設置会社であっても、登記申請時に印鑑証明書の添付が必要になるため、手続き上、15歳未満の未成年者が代表取締役になることはできません。
「代表取締役社長」という肩書きは一般的かもしれませんが、法律上は、代表取締役=社長というわけではありません。
「代表取締役」は会社法に定められている機関であり、登記されますが、「社長」はあくまでも会社内での取り決めのため、代表取締役であっても社長ではない、取締役であっても社長というのは成り立つ話です。
なお、定款には、
「取締役会は、その決議により取締役社長1名を選定し、また必要に応じ、取締役会長1名および取締役副社長、専務取締役、常務取締役各若干名を選定することができる。」
という感じの規定を置けばいいのかもしれません。
また、「株式会社」「取締役」にこだわらなければ、もう一つ方法があります。
それは、株式会社ではなく、合同会社を設立すること。
株式会社と同じ会社形態ですが、こちらのほうが家族経営には最適です。
また、代表社員でなければ設立登記時に印鑑証明書や住民票等の証明書の添付も要求されていませんし、設立時にかかる登記費用も株式会社の3分の1で済みます(弊所比較)。
合同会社の設立を検討される場合はこちらをご参照ください。
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