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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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【令和7年改正】本店移転での印鑑届出が不要に

[ テーマ: 本店移転登記 ]

2025年11月7日10:01:00

【令和7年改正】本店移転での印鑑届出が不要に

2025年4月の改正により、管轄の異なる本店移転(いわゆる「管轄外移転」)を行う際、これまで必要だった新所在地法務局への印鑑届出書の提出が不要になりました。

ただし印鑑カードの扱いは変わりません。

改正の要点

  • 変更点 : 管轄外移転時の印鑑届出書の再提出が不要に。
  • 変わらない点 : 印鑑カードは引き継がれないので、移転後は新管轄で再発行が必要。
  • 対象 : 株式会社のみならず合同会社等の各法人類型にも適用

 

実務での具体的な手順(改正後)

  1. 株主総会(定款変更が必要な場合)→ 特別決議
  2. 本店移転の登記申請を旧管轄法務局へ提出(経由同時申請のルール)
  3. 移転登記が完了すると、旧管轄から新管轄へ印鑑記録が移送される(これにより新管轄での印鑑届出は不要)
  4. 移転完了後、必要であれば新管轄で印鑑カードの交付申請を行う(カードは自動再発行されない)

 

注意点(見落としやすいポイント)

  • 印鑑届出は不要だが、印鑑カードは再取得必要 : 届出不要とカードの扱いは別物です。カードなしだとオンライン請求等に支障が出ます。
  • 代表者変更と同時に移転する場合 : 代表者変更の届出が絡むと旧法務局への届出が必要です。
  • 登記完了タイミングを確認する : 印鑑カードの申請は登記完了後でないと手続きが進まないため、外部取引で直ちに印鑑証明を要する場合はスケジュール調整が必要です。

 

よくある質問(FAQ)

  • Q. 印鑑届出が不要=登記上の印鑑が自動で更新される?
    A. はい。印鑑情報は旧法務局から新法務局へ移送され、「提出されたものとみなされる」扱いになります。ただしカードは引き継がれません。
  • Q. すぐに印鑑証明が必要な場合は?
    A. 登記完了後に新管轄で印鑑カードを再取得し、そのカードで印鑑証明を取得できます。

 

執筆:司法書士 西尾努

(※本記事は一般向けの解説です)

 

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中央区内での本店移転登記|代表者住所非表示措置の注意点

[ テーマ: 本店移転登記 ]

2025年5月9日23:36:01

最近、よくいただくご相談のひとつに「代表者の住所を登記簿に載せたくない」というものがあります。

今回は、本店移転を予定しているお客様から代表者の住所非表示のご依頼をいただいたケースをもとに、代表取締役住所の非表示措置が適用される条件や、登記費用についてく解説します。

ご相談内容

東京都の中央区内での本店移転を予定しています。
あわせて、代表取締役の住所を登記簿に表示させない措置もお願いしたいのですが、それぞれの費用を教えてください。

結論:中央区内での本店移転では、代表者住所の非表示措置は使うことができません

本店移転の場面では、法務局の管轄が変更される本店移転登記と併せて行う場合に限り、代表取締役の住所を登記簿に表示しない措置が可能です。

中央区の管轄法務局は「東京法務局(本局)」であり、同様に以下の区も同じ本局が管轄しています:

  • 中央区
  • 千代田区
  • 文京区

したがって、たとえ中央区 → 千代田区といった区をまたぐ移転であっても、同じ法務局の管轄内であるため、住所非表示の対象とはなりません。

この点については、法務省の公式サイトでも明確に記載されています。

 

代表者住所の非表示措置とは?

一定の条件を満たすと、登記事項に代表者の住所を記載しないことができますが、本店移転の場面で、この制度を利用できるのは、次の2つの要件を満たす場合に限ります

  • 会社が本店を移転すること
  • その本店移転によって法務局の管轄が変更されること

したがって、「本店移転のついでに非表示措置をしたい」と考えても、法務局の管轄が変わらない限りは適用できないのでご注意ください。

 

登記費用の目安(中央区内での本店移転の場合)

今回は中央区内での移転であり、非表示措置の対象外となるため、通常の本店移転登記のみが対象です。

登録免許税 3万円

司法書士報酬 2.2万円(税込)

その他実費 → その他実費とは

 

 

まとめ

  • 中央区内での本店移転では、代表者住所の非表示措置は利用できません。
  • 本店移転の際、非表示制度が使えるのは「法務局の管轄変更」がある場合のみです。
  • 費用は、本店移転のみであれば5万円前後が目安です。

 

 

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株式会社の管轄法務局に変更のない本店移転登記

[ テーマ: 本店移転登記 ]

2024年4月23日11:22:00

2社の株式会社の本店移転登記手続きのご依頼をいただきました。

事例

中野区にある株式会社2社(A社とB社)。

なお、A社は取締役会が設置されており、B社は取締役が1名の会社であり、取締役会は設置されていません。

どちらも、4月11日に、5月1日付で、本店を中野区内の東中野から沼袋に移転することにしたのでその登記のご依頼をいただきました。

中野区内での本店移転のため、会社の管轄法務局に変更はありません(東京法務局 中野出張所)。

 

登記手続き

  • 本店移転の登記

・・・登記簿謄本を確認すると、中野区の本店住所は代表取締役の自宅とは一致していません。

念のため、代表取締役の住所には変更はないことも確認しました。

また、どちらの会社の定款にも、本店所在地は「中野区に置く」と規定されていました。

今回は、管轄法務局に変更のない本店移転登記を申請することになりました。

 

登記を申請するのに必要なもの

  1. A社については取締役会議事録、B社については取締役の決定書
  2. 登記の委任状

なお、移転先の賃貸契約書等は不要です。

 

申請しなければならない期間

登記すべき事項に変更があった日(5月1日)から2週間以内に管轄法務局に登記を申請しなければなりません。

その期間を超えても登記申請はできますが、遅れた日数、年数によって過料(罰金のようなもの)が発生することもあります。

 登記申請が遅れた場合の過料の相場

なお、移転することを決めた4月11日の時点では、移転していないため、登記を申請することはできません。

事前予約的な登記が認められていないからです。

実際に5月1日に本店を移転してから登記を申請することになります。

よく、銀行に移転登記がされた登記簿謄本を出さなければならないから、と言われますが、登記簿謄本は移転登記が完了してから、となりますので、移転日のその日にお渡しすることはできません。

*その代わりに、登記を申請したという登記の受付票をお渡しすることはできます。

必要な方には無料でお渡ししますので、ご依頼ください。

 

当事務所にご依頼いただいた際の登記費用

登記費用は、(1)登録免許税、(2)司法書士報酬、(3)謄本代、送料等の実費を合算した金額ですが―

2社それぞれについて、

(1)登録免許税 3万円

(2)司法書士報酬 2.2万円(税込)

書類作成、登記申請、登記簿謄本取得まで含まれております。

(3)実費   実費の内訳

合計で、5.2万円+実費を事前に指定口座にお振込みいただきます。

なお、弊所の場合、取締役会の設置の有無で司法書士報酬に差はありません。

今回の手続きでは定款の変更は生じません。

 

登記完了までにかかる時間

書類に押印をいただき、弊所で申請し(御社が法務局に出向くことはありません)てから、1週間程度で手続きが完了し、登記簿謄本を必要枚数取得して郵送いたします。

 

注意点

取締役会が設置されているか、されていないかで必要が変わります。

設置されているか、されていないかは、登記簿謄本の最後の方に、登記されています。

「取締役会設置会社に関する事項  取締役会設置会社」と記載があれば取締役会設置会社です。

設置されていない会社には、その項目がありません。

また、取締役が2名以下だったり、監査役がいない株式会社の場合は取締役会は設置されていません(例外もあります)。

 

 

 株式会社の本店移転登記手続きはこちら

 本店移転登記を申請したが、移転先住所を誤って登記してしまった場合の更正登記

 

 

移転先が東京以外であっても、司法書士が法務局に出向く必要はなく、オンライン申請で行うため全国対応可能です。

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