[ テーマ: 商業登記 ]
2026年9月9日10:39:26
作成 2012.03.28
更新 2026.09.09
会社の登記簿謄本(登記事項証明書)について、
「会社の本店所在地を管轄する法務局でないと取れないのでは?」
と思われている方がいらっしゃいます。
しかし、現在は、会社の登記事項証明書は、原則として本店所在地を管轄する法務局に限らず、全国の法務局の窓口で取得することができます。
また、会社の印鑑証明書についても、印鑑カードがあれば、全国どこの法務局の窓口でも取得することができます。
さらに現在では、法務局の窓口へ行かなくても、オンラインで登記事項証明書や印鑑証明書を請求することができます。
以前は、会社の登記簿謄本といえば、「その会社の本店所在地を管轄する法務局で取得する」というイメージがありました。
しかし、現在は登記情報のコンピュータ化が進んでおり、管轄の異なる会社の登記事項証明書についても、全国の法務局で交付を受けることができます。
たとえば、札幌に本店がある会社の登記事項証明書を、東京の法務局で取得することも可能です。
わざわざ会社の本店所在地まで出向く必要はありません。
なお、コンピュータ化されていない古い登記記録などについては、取り扱いが異なる場合があります。
会社の代表者の印鑑証明書についても、印鑑カードがあれば、全国どこの法務局の窓口でも取得することができます。
そのため、本店所在地を管轄する法務局まで行く必要はありません。
ただし、会社の印鑑証明書を窓口で取得する場合には、印鑑カードが必要です。
会社を設立した際などには、印鑑カードを紛失しないように保管しておくことをおすすめします。
なお、よくご質問をいただくのですが、印鑑カードには暗証番号はありません。
登記事項証明書や印鑑証明書は、法務局の窓口で取得するだけではありません。
「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、インターネットから交付請求することもできます。
オンラインで請求した場合、登記事項証明書や印鑑証明書を郵送で受け取る方法のほか、法務局の窓口で受け取る方法もあります。
また、オンライン請求は、窓口で請求する場合と比べて手数料が安くなる場合があります。
手数料については変更されることがありますので、実際に請求する際には、法務局の最新の案内をご確認ください。
登記事項証明書そのものが必要なのではなく、
「会社の登記内容を、とりあえず確認したい」
という場合には、登記情報提供サービスを利用する方法もあります。
インターネット上で会社の登記情報を確認することができ、必要に応じてPDF形式で保存することもできます。
登記事項証明書を取得するよりも手軽なので、登記内容を確認したいだけの場合には便利です。
ただし、登記情報提供サービスで取得したものは、登記事項証明書そのものではありません。
そのため、登記事項証明書の提出を求められている場合には、登記情報提供サービスのPDFでは代用できないことがあります。
現在、「登記簿謄本」と呼ばれているものの多くは、正式には「登記事項証明書」です。
昔は紙の登記簿を謄写したものを「登記簿謄本」と呼んでいましたが、現在は登記記録がコンピュータ化されているため、登記所が証明書として発行するものは「登記事項証明書」と呼ばれています。
そのため、日常的には「登記簿謄本」と呼ばれていても、法務局で請求するときには「会社の登記事項証明書」と考えておけばよいでしょう。
司法書士はつい、登記簿謄本という言葉を使ってしまいますが、正しくは「登記事項証明書」です。
会社の登記事項証明書や印鑑証明書を取得するときは、必ずしも本店所在地を管轄する法務局へ行く必要はありません。
・登記事項証明書 → 原則として全国の法務局で取得可能
・印鑑証明書 → 印鑑カードがあれば全国の法務局で取得可能
・オンラインで請求して郵送または窓口で受け取ることも可能
・登記内容を確認するだけなら、登記情報提供サービスも利用可能
手数料や受付方法などは変更されることがありますので、実際に取得する際には法務局等の最新の案内をご確認ください。
執筆:司法書士 西尾努
(※本記事は一般向けの解説です)
会社の所在地が東京以外であっても、司法書士が法務局に現地の法務局に出向く必要はなく、オンライン申請で行うため全国対応可能です。
ご相談、ご依頼、見積もり書については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
03‐5876‐8291 または、
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[ テーマ: 商業登記 ]
2026年9月7日16:55:00
代表者の住所が登記簿に出なくなる?
最近、法人登記に関係する気になるニュースがありました。
法務省が2026年7月24日、「商業登記規則等の一部を改正する省令案」についてパブリックコメントを開始しました。
今回の改正案のポイントの一つが、代表者等の住所を登記事項証明書などに一部表示しない「住所非表示措置」の対象を広げることです。
現在、この制度を利用できるのは株式会社の代表取締役等に限られています。
それが今回の改正案では、株式会社以外の法人や組合にも対象を広げる方向となっています。
施行は、令和8年(2026年)12月が予定されています。
このニュースは、株式会社だけでなく、合同会社や一般社団法人を運営している方にも関係する話です。
会社や法人の登記簿を見ると、代表者の住所が登記されています。
「なぜ会社の住所だけではなく、代表者の自宅住所まで登記するの?」と思われる方もいるかもしれません。
代表者の住所を登記することには、代表者を特定したり、訴訟などの際の送達先を明らかにしたりするなど、登記制度上の意味があります。
一方、インターネットやSNSが普及した現在では、登記情報から代表者の自宅住所まで簡単に調べられることに不安を感じる人も増えています。
そこで、令和6年(2024年)10月から始まったのが、株式会社の「代表取締役等住所非表示措置」です。
一定の要件を満たせば、登記事項証明書などに表示される代表取締役等の住所について、市区町村などの最小行政区画より細かい部分を表示しないことができます。
たとえば、代表取締役の住所が次のように表示されている場合、住所非表示措置を利用すると表示範囲が限定されます。
ただし、住所そのものが登記されなくなるわけではありません。
また、住所変更登記が不要になる制度でもありません。
株式会社については、すでにこの制度が始まっています。
では、よく聞かれるのですが、合同会社はどうでしょうか。
合同会社の代表者は「代表社員」と呼ばれます。
株式会社の「代表取締役」と名称は違いますが、会社を代表する立場であることは同じです。
ところが、現在の住所非表示措置は株式会社を対象とした制度であるため、合同会社の代表社員は、この制度の対象ではありません。
そのため、合同会社の代表社員については、登記事項証明書を取得すると、原則として住所を確認することができます。
今回の改正案は、こうした状況を変えるものです。
株式会社だけを対象としていた住所非表示措置を、会社以外の法人や組合にも広げる方向となっています。
つまり、これまで株式会社と合同会社で異なっていた「代表者の住所の公開」という点についても、今後は差が小さくなっていくことになります。
もう一つ、今回の改正で注目したいのが一般社団法人です。
一般社団法人には「代表理事」がいます。
現在の住所非表示措置は株式会社を対象とする制度なので、一般社団法人の代表理事についても、株式会社の代表取締役と同じように住所非表示措置を利用できるわけではありません。
しかし今回の改正案では、会社以外の法人にも対象を広げる方向となっています。
そのため、一般社団法人を運営している方にとっても、今回の改正は無関係ではありません。
今回のニュースを理解するために、現在の状況を整理すると次のようになります。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 | 一般社団法人 |
|---|---|---|---|
| 代表者 | 代表取締役等 | 代表社員 | 代表理事 |
| 住所非表示措置 | 利用可能 | 現在は対象外 | 現在は対象外 |
| 今回の改正案 | ― | 対象拡大の対象 | 対象拡大の対象 |
| 主な利用目的 | 営利事業 | 営利事業 | 非営利型を含む法人活動 |
こうして見ると、今回の改正は単なる「株式会社の登記制度の変更」ではないことが分かります。
会社だけでなく、法人全体の登記に関係する制度へ広がります。
そこが今回のニュースのポイントです。
代表者の住所を非表示にできる最大のメリットは、やはりプライバシーの保護でしょう。
特に、次のような状況にある方にとっては、自宅住所まで簡単に調べられることに抵抗があるかもしれません。
法務省も、インターネットやSNSの普及による住所公開への抵抗感や、ストーカー被害、過度な営業行為などへの懸念を制度導入の背景として説明しています。
住所非表示は、単純に「利用すれば得」という制度でもありません。
例えば、登記事項証明書だけでは代表者の住所を証明できなくなるため、金融機関からの融資や不動産取引などで、別途住所を確認するための書類を求められる場合があります。
今回の制度改正を見ていると、会社を設立するときに考えることも少し変わってきそうです。
株式会社と合同会社では、設立費用、意思決定の方法、役員の任期、利益配分など、さまざまな違いがあります。
これまでは、「株式会社と合同会社、どちらがいいですか?」という質問に対して、こうした制度上の違いを中心に考えていました。
これからは、そこに「代表者の住所がどのように公開されるのか」という視点も加えてよいでしょう。
特に自宅を本店所在地としている方にとっては、意外と大きな問題です。
そして、これは株式会社と合同会社だけの話ではありません。
一般社団法人を設立・運営している方にとっても、同じように代表者の住所公開という問題があります。
会社や法人の登記は、法律で決められた情報を公示する制度です。
そのため、代表者の住所が登記されることにも理由があります。
しかし、インターネットで情報が簡単に検索できる現在では、昔と同じように「公開することが当然」とはいえない部分も出てきました。
今回の住所非表示措置の対象拡大は、登記制度も社会の変化に合わせて変わっていることを示す一例だと思います。
株式会社、合同会社、一般社団法人…どの法人を選ぶかは、設立費用や税務だけでなく、事業内容や経営方法、そして代表者の情報公開の問題など、いろいろな角度から考える必要があります。
会社や法人を設立するときだけでなく、役員が変わったとき、本店や主たる事務所を移転したときなども、登記が必要になります。
「登記が必要になったから手続きをする」だけではなく、「今の会社・法人の登記は、現在の状況に合っているか」を一度確認してみるのもよいかもしれません。
執筆:司法書士 西尾努
(※本記事は一般向けの解説です)
会社の所在地が東京以外であっても、司法書士が法務局に現地の法務局に出向く必要はなく、オンライン申請で行うため全国対応可能です。
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[ テーマ: 商業登記 ]
2022年9月9日14:57:00
更新 2022年9月9日
作成 2013年8月7日
(2013年8月の投稿を2022年の法律に合わせて修正・加筆しました)
数年前に合同会社の設立登記のご依頼をいただいた会社から、今度は「支店設置の登記」のご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
一般に本店とは別に営業所を設けることはあっても、なかなかそれを支店として登記することはありませんが、今回は支店先で金融機関から融資を受けるということで、支店設置の登記が避けられないという話でした。
合同会社の支店設置手続きは、業務執行社員の過半数の賛成があればすすめることができます。
なお、支店は定款に記載する必要はありません。
(合同会社の支店所在地は、定款の絶対的記載事項とはされておらず、定款に記載されていなければ定款変更はないので、総社員の同意は不要です。)
登記申請は、この記事を投稿した時点(2013年)では、本店所在地を管轄する法務局と支店所在地を管轄する法務局に対して、同時に申請する「本支店一括申請」をしていましたが、現在(2022年)は本店所在地を管轄する法務局にだけ申請することになりました。
なお、廃止されたのは支店所在地の登記のみで、本店の所在地でする支店の設置、移転、廃止等の登記は引き続きしなければなりませんのでご注意ください。
登記費用は、
登録免許税として、6万円
司法書士報酬として3万円(税別)
その他実費として送料や登記簿謄本代をいただきます。
ご依頼いただくにあたり、次の点についてお知らせください。
また、書類を作成するにあたり、定款を拝見させていただきます。
電子定款をメール添付でお送りいただくか、写真、PDFにしたものを添付していただいても差し支えありません。
合同会社を設立したあと、支店も設置したいという方はぜひご相談ください。
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