[ テーマ: 合同会社設立手続き ]
2019年9月2日12:34:00
今すぐに会社を設立したいが、合同会社にすべきか、株式会社にすべきか、迷っているという方からご相談を受けました。
取り引き先の都合上、ビジネスを始めるのなら、個人事業ではなく、会社形態にしなければならないといわれ、準備をすすめているが、最近、「合同会社」という会社形態があるのを知り、株式会社と比べると費用が安いので、できれば安い方を選びたい。
でも費用だけで考えて良いものかどうか…というご相談です。
たしかに、費用は株式会社の約29万円に対して、合同会社は約10万円(いずれも当事務所比)で、かなりの差があります。
設立時の費用に差はあるものの…どちらも法人格があり、最初から1人で出資、経営をされるというのであれば、どちらにしてもそれほど大きく変わらないので、悩ましいところです。
強いて挙げるとすれば、認知度、知名度等、「社会的信用度」の問題でしょうか。
気にしない人は全く気になりませんが、気にされる方はとても深刻な問題です。
最近は有名な会社も「合同会社」にしているところも多くなり…グーグル、アマゾン、西友、アップル等が合同会社だというのは、わりと知られてい…
知られていると思っていたのですが、実はそうは言っても、その会社が「合同会社」かどうかにまで興味をもっている人はまだまだ少数派のようで…
一般の方が、合同会社と聞いて、イメージするものの中で多いのはこれでしょうか。
就職活動でおなじみの「合同会社説明会」。
(参考)http://gakumu.of.miyazaki-u.ac.jp/gakumu/jobinfo/gousetsu.html
最近は、主催者側も紛らわしいと気がついたのか、「合同会社説明会」から「合同企業説明会」に名称を変えているようですが、一度定着したイメージはなかなか払拭できません。
また、「合同」という言葉から、会社が何社も集まっている状態を連想される方も多いようです。
仕事上での取り引きとなると、担当者レベルに合同会社が何なのか理解している人は少ないようですから意外と深刻な問題なのかもしれません。
それに、名刺交換の際も…社長の肩書きが「代表取締役」ではなく、正式に記載するとなると、「代表社員」となるため、それはまるで、
「従業員(≒社員)」の代表という感じでとらえられ、会社経営者のような扱いを受けないのではないか、という不安を抱かせるようです。
・・・たしかに。
合同会社をLLCと表現するとか、名刺には、代表社員ではなくCEOや最高経営者などと記載すれば解決のような気もしないではないですが、そう簡単に割り切れるものでもないようです。
それに代表取締役という言葉にも、ある一定の年齢を超えると、少なからず憧れがあるようですし。
実際、過去にご依頼をいただいた方とお話をすると、合同会社を設立して、客と名刺交換するたびに、仕事の話よりも先に、「合同会社とは?」から説明しなければならない状態が続くのが面倒になる方も多く、組織変更して株式会社にする方も少なくありません。
そういう手間を考えると最初から株式会社を選択するのもよさそうで…
結局のところ、取引先が固定されておらず、一般の方を相手にするのであれば、信用度が高い株式会社を選択されたほうが無難だと思います。
それに対して、代表者の信用で仕事の依頼を受けたり、取引先がある程度固定されているのであれば、合同会社からスタートしても問題ないのではないでしょうか。
そういえば…
合同会社は、LLC(エルエルシー)と呼ばれ、これは、Limited Liability Companyの略なのですが、打ち合わせ中に、時々、LLCとメモすべきところを、LCCとメモしたのを見かけることがあります。
LCCは、格安航空会社(ローコストキャリア Low-Cost Carrie)の略で、おじさんたちはあまり間違えないのですが、女性や若い人に書き間違える傾向があり、メモの間違いを指摘すべきかどうか迷ってしまいます。
ストレートに指摘するのもアレなので、LLCとLCCは間違いやすいとか何とか言ってごまかしますが...
余談ですが、先日、テレビを見ていたら、LCCをLLCと間違えていたのを発見してしまいました(ピーチは、Peach Aviation 株式会社です)。
このパターンは珍しい気がします。
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