唯一の取締役が辞任!新任取締役を株主総会で選任する手続きと登記の流れ
【事例】先月、株式会社の設立登記のご依頼をいただいたAさんから、今度は次のようなご相談をいただきました。
「私一人が取締役の会社ですが辞任します。
新任の取締役は株主総会で選任し、その場で承諾します。
登記をお願いできますか?」
Aさんが株主総会終結時に辞任し、新任のBさんがその場で就任承諾するという流れでした。
■ 事例の概要
- 株式会社(資本金100万円、設立からひと月)
- 取締役はAさん1名(代表取締役)
- 株主総会でBさんを新たに取締役として選任
- Aさんは総会終結時に辞任
- Bさんはその場で就任承諾
■ 着眼点(司法書士の視点)
- ✅ 唯一の取締役が辞任 → 後任者の選任が必須
- ✅ 辞任・選任・就任のタイミングを一致させることが重要
- ✅ 取締役会非設置会社では、役員の就任登記に印鑑証明書が必要
よくある質問
「設立して1か月だけど、役員変更しても大丈夫ですか?」
→ はい、大丈夫です。
会社法上、設立後すぐであっても、取締役の辞任・選任は可能です。
たとえ設立から1週間や1か月であっても、正当な手続きが取られていれば、問題なく登記できます。
■ 手続きの流れ
- 株主総会を開催
→ Bさんを取締役として選任、同時に代表取締役に就任することになる
→ Aさんは「総会終結時に辞任」
- 必要書類の準備
→ 議事録・辞任届・就任承諾書・印鑑届出書などを作成
→ Bさんの印鑑証明書も取得
- 法務局に登記申請(2週間以内)
■ 必要書類
- 株主総会議事録(辞任・選任まで記載)
- 株主リスト
- Aさんの辞任届(「総会終結時に辞任」の旨を明記)
- Bさんの就任承諾書(総会の場で就任を承諾)
- Bさんの印鑑証明書(発行後3か月以内)
- 印鑑届出書(代表が交代する場合)
- 登記申請書
■ 注意点
- ⚠️ 取締役の印鑑証明書は、代表取締役でなくても必要なケースがある!
→ 取締役会非設置会社では印鑑証明書が必要
- ⚠️ 日付の整合性を揃えること
→ 辞任・選任・就任のすべてを「同日付」に
- ⚠️ 議事録に「辞任は終結時」「新任は即日承諾」の記載が必要
■ 登記の期限と費用
登記申請は辞任・就任の日から2週間以内に行う必要があります。
当事務所にご依頼いただいた場合の登記費用は、以下の通りです。
- (1)登録免許税:1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)
- (2)司法書士報酬:1.1万円(税込)
- (3)実費:謄本代・送料等
→ 実費の内訳については、こちらをご参照ください
■ まとめ
- ✅ 唯一の取締役が辞任するなら、新任を同時に選任することが必須
- ✅ 辞任・選任・就任はすべて同日付で揃える
- ✅ 取締役会を置いていない会社では印鑑証明書が必要
- ✅ 登記は2週間以内に申請が必要
- ✅ 登記費用は登録免許税+報酬+実費
取締役の変更登記手続きについてはこちらもご参照ください
取締役1名を追加する場合の登記手続きはこちら
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