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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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世の中の流れと社名の決め方

[ テーマ: 商業登記 社名・商号 ]

2026年10月8日16:12:00

世の中の流れと社名の決め方

 

会社を設立するにあたり、決めるのに意外と時間がかかるのが「会社名(商号)」です。

司法書士として会社設立のご依頼を受けていると、会社名の決め方も本当にいろいろだなと思います。

そんな中、先日、興味深いニュースを見つけました。

「AI」を社名に含む新設法人が、この数年で大きく増えているというニュースです。

せんデータ株式会社の調査によると、「AI」を社名に含む新設会社は、2022年の86社から2025年には368社に増加。

2026年については、8月までの8か月間ですでに305社に達しているそうです。

AIが世の中でこれだけ話題になり、実際に仕事やサービスにも使われるようになっていることを考えると、会社名にもその影響が出ているということなのでしょう。

出典:PR TIMES掲載「せんデータ株式会社」のプレスリリース

 

社名にAIがつく会社が増えた

 

社名にも、その時代が表れる?

 

考えてみれば、「AI」に限った話ではありません。

世の中で話題になった言葉が、会社名に使われたり、逆に避けられたりすることは以前からあります。

私も以前、「コロナ風評被害で社名・商号を変更する登記手続き」という記事を書きました。

2020年、新型コロナウイルスが広がっていたころの記事です。

 

「コロナ」を社名に含む会社

当時、登記情報を調べてみると、社名に「コロナ」が含まれている会社が全国に291社ありました。

その後、2021年12月に改めて調べると、300件を超えていました。

もちろん、昔から「コロナ」という言葉を社名に使っていた会社もあります。

一方で、コロナ対策などを事業にする会社が増えたことで、新たに「コロナ」を社名に入れる会社もあったようです。

 

「令和」という名前も増えた

同記事では、元号が「平成」から「令和」に変わったときのことにも触れています。

新元号が発表された2019年4月1日の時点では、東京商工リサーチの企業データベースには、社名に「令和」を含む会社は存在しなかったそうです。

それが1か月ほどの間に、新設や商号変更によって73社に。

その後、国税庁の法人番号公表サイトで調べたところ、「令和」を含む会社は576社になっていました。

こうして並べてみると、「令和」「コロナ」「AI」と、その時代に注目された言葉が会社名にも登場していることがわかります。

もちろん、これらを同じように考えてよいのかという問題はあります。

「令和」は新しい元号ですし、「コロナ」は感染症、「AI」は技術です。

それでも、会社を作る人が「今の時代」を意識して社名を決めることがある、という点では共通している印象を受けます。

 

では、会社名はどうやって決める?

 

では、実際に会社を設立するとき、どのような社名にするのでしょうか。

これは本当に人それぞれですが…

事業内容から決める

「○○不動産」「○○食品」「○○システム」のように、一目で何をする会社なのかがわかる社名です。

代表者や創業者の名前から決める

自分の名前や家族の名前を使う方法です。

弊事務所は法人ではありませんが、事務所名は名前を入れています。

地名から決める

会社を始める地域や、創業者にゆかりのある地名からとる方法です。

以前から使っている屋号をそのまま会社名にする

個人事業から法人化する場合には、これもよくある決め方です。

造語にする

既存の言葉を組み合わせたり、オリジナルの言葉を作ったりする方法です。

これからやりたいことを名前に入れる

現在の事業だけではなく、将来展開したい事業をも意識して社名を付ける方法です。

その時代に注目されている言葉を入れる

今回の「AI」などが、その一例になるでしょう。

特に深い意味はなく、響きや覚えやすさで決める

これも、もちろんありです。

 聞き取りにくい社名は損失を生む?

 

「登記できる名前」と「いい会社名」は別の話

 

司法書士としては、最初に会社名について「登記できるかどうか」を確認します。

株式会社なら「株式会社」、合同会社なら「合同会社」という文字を商号に入れなければなりません。

また、同じ住所(本店所在地)に同じ社名(商号)の会社がすでに存在する場合(同一商号の問題)など、登記する前に確認します。

 会社名(商号)について

ただ、登記できる名前であれば、それで十分かというと、そうとも限りません。

例えば、「AI」という言葉を社名に入れたけれど、数年後にはAIとは全く関係のない事業を中心にしている。

逆に、現在はそれほどAIを使っていなくても、これからAI関連の事業を大きくしていくつもりで社名に入れる。

どちらもあり得ます。

会社は数年で終わるとは限りません。

10年、20年と続いていきますから、「今、流行っているから入れる」だけではなく、「この会社名を10年後、20年後にも使っているだろうか」という視点で考えてみてもいいのかもしれません。

 

会社名には、その会社を作る人の考えが出る

 

会社設立の仕事をしていると、依頼者さんに社名を決めるまでの経緯や由来を尋ねることがあります。

「昔からこの名前で仕事をしていた」

「この事業をやりたかったから、この言葉を入れた」

「響きが気に入った」

など、本当にさまざまです。

会社名そのものに、正解があるわけではありません。

ただ、会社名を考えるということは、「これからどんな会社にしていくのか」を考えることでもあるのだと思います。

 

会社名を見ていると、時代が見えてくる?

今回の「AI」のニュースを見て、以前書いた「コロナ」や「令和」の記事を思い出しました。

その時代に話題になっている言葉が、会社名にも入ってくる。

そう考えると、会社名を調べてみるだけでも、その時代にどんなことが起きていたのか、少し見えてくるのかもしれません。

今から何年か経ったときに、「そういえば、2020年代には『AI』という言葉を社名に入れる会社がずいぶん増えたな」となるのかもしれません。

そう考えると、会社名を決めるというのも、単に登記のための名前を決めるだけではなく、その時代の空気を少し取り込む作業なのかもしれません。

これから会社を作る方は、まず「どんな会社名にするか」を考えてみてください。

 

 

執筆:司法書士 西尾努

(※本記事は一般向けの解説です)

 

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