[ テーマ: 相続登記手続き ]
2007年9月5日06:53:00
遺言と法定相続との関係について…
遺言は、法定相続に優先するということを覚えておいてください。
民法には、「法定相続」の規定がありますが、必ずしも法定相続の規定どおりに遺産を分配しなくてもよいケースがあります。
そのうちの一つをご紹介します。
それは、遺言が残されているケースです(ほかには遺産分割協議が成立したケースがあります)。
遺言が残されているケースでは、遺言が法定相続に優先します。
ちなみに、法定相続になるケースというのは、遺言が残されておらず、相続人の間で分割協議をしない場合。
弊事務所にご依頼いただく相続登記のほとんどが、遺言がないケースです。
法律に従って法定相続分で分配すればいいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産の場合には相続人の共同所有は後々権利関係が複雑になりますのでできるだけ単独所有することをおすすめしています。
「不動産は単独で所有するのがいい」ことについては、みなさんご理解いただけるのですが(もちろん事情により法定相続分で登記することもあります)、その場合に相続人の1人に不動産、他の相続人には不動産以外の財産とそんなに簡単には話がまとまらないようです。
とくに兄弟姉妹間では権利関係の調整に時間がかかります。
自分が死んだ後に、身内に遺産相続でトラブルが発生するのは悲しいものです。
また、相続人よりも、お世話になった友人・知人に財産を渡したいというケースもあるでしょう。
できるかぎり、自分の意思で誰が何を受け継ぐか生きているうちに遺言で決めておくことをおすすめします。
なお、遺言を書いたからといって、ずっとそれに拘束されるわけではなく、気が変わったら簡単に撤回もできます。
*相続人には最低限の権利である遺留分がありますので100%遺言どおりにはいかないケースもありますのでご注意ください)
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
|この記事のURL│
[ テーマ: その他法律 ]
2007年9月1日00:10:00
時々、離婚によって財産分与の協議が成立し、その所有権移転の登記のご依頼をいただくことがあります。
注意しなければならないのが所有権の移転の効力発生日。
所有権移転の日はいつですか? 離婚の届出をしたのが8月31日、 |
この場合、所有権移転の効力が発生したのは、9月10日です。
【考え方】
協議離婚の場合は、離婚の届出をした日に離婚の効力が発生します。
だからといって、その後に成立した財産分与の協議による所有権移転の効力まで、離婚の届出の日に遡るわけではありません。
財産分与を原因とする所有権移転の効力が発生するのは、原則として財産分与の協議が成立した日(9月10日)となります。
したがって、財産分与による所有権移転の登記原因の日は、原則として財産分与の協議が成立した日となります。
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
|この記事のURL│
[ テーマ: 商業登記 ]
2007年8月27日09:49:00
先週、本店移転の登記のご依頼をいただいたお客様から、次のようなご質問がありました。
会社の本店の移転の日はいつですか? 本店移転の決議をしたのが8月1日、 |
この場合、本店移転の効力が発生したのは、8月20日です。
【考え方】
本店移転をするということを決議した日(8/1) と 現実に移転した日(8/20) を比べていずれか遅い日に本店移転の効力が発生します。(昭35.12.6民甲3060号回答)
そして、その日から2週間以内に旧本店所在地を管轄する法務局に登記を申請しなければなりませんのでお忘れなく。
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
|この記事のURL│