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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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商号の文字~鉄は金を失うか?

[ テーマ: 商業登記 社名・商号 ]

2017年10月23日12:35:00

会社名は、「商号」と呼び、定款に記載しなければならない事項(絶対的記載事項)事項であり、登記もされています。

会社名は定款の規定どおりに登記されるのですが、時々、登記簿謄本の記載と一般に使用している会社名とで使用している文字が異なっていることに気づくことがあります。

 

 

なかでも、「鉄」という文字にまつわる話をよく耳にするのですが…

 

商号の中の鉄

 

たとえば、「西日本旅客鉄道株式会社」の場合― 

 

鉄は金を失う?

 

これは駅に備え付けの旅行のパンフレットなのですが、よーく見ると、鉄道の「鉄」という文字、「金」+「失」ではなく、「金」+「矢」になっています。

これは、誤植ではなく、「鉄」だと「金」を「失」うことにつながるため、それを避けて験を担ぐ意味で、あえて「金」+「矢」にしているのだそう。

ほかにも、北海道、九州、東日本、東海も同じような取り扱いらしいのですが、なぜか四国は通常の「鉄」を使用しているのだとか。

参考 : 国会図書館
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000160368

 

 

似たようなケースでは、「鉄」をあえて旧字の「鐵」とする会社もあります。

たとえば、「新日住金株式会社」。

この会社は、ホームページ上で「定款」を公開しているのですが、
http://www.nssmc.com/ir/stock/pdf/regulations_01.pdf

 

鉄の文字

 

こちらは、「鉄」を「」に変えて使用しているわけではなく、定款にも「」という漢字を使っています。

ただし、こちらは、昭和45年に、「新日本製鐵株式會社」で登記されており、その際、金を失うことを嫌って旧字を使用したのかまではわかりませんが。

ほかにも、「鐵」を使っている会社には、東京製鐵株式会社、大阪製鐵株式会社、合同製鐵株式会社などがあります。 

 

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登記手続きは申請したその日に完了しない

[ テーマ: 起業支援 ]

2017年10月20日11:10:00

本日、10月20日…月末が近づくにつれて、こんなご相談が増え始めます。

「今月中に会社を設立したい。」

実は、このご相談に対する回答がなかなか大変で…

 

というのも、

(1)月内に会社を設立しさえすればよいのか、
(2)月内に会社を設立して会社が存在することを証明する登記簿謄本( 登記簿謄本とは)まで取得するところまで考えているのか

ご相談いただいている方が、どちらの認識でご相談いただいているのかがわからないから、回答は両方に触れざるを得ず、回答がどうしてもわかりにくくなるのです。

 

法務局
(経験上、渋谷・目黒・港区に本店がある場合は時間がかかっています)

 

一般的に、他の役所の手続きと同様(もちろん例外もありますが)、登記も、法務局に申請した日にその場で手続きが完了すると思われているのかもしれません。

ですが、登記は、申請してから、受領した法務局内で1週間程度の時間をかけて調査・審査されるため、その日のうちに完了することはほぼ不可能なのです(その場で、ということはありませんが、ごくまれに、申請した数時間後に完了した経験はありますが)。

手続きが完了してはじめて、登記簿謄本の交付が受けられるようになりますので、(2)のつもりで、「月内に」と言われた場合には、法務局での処理期間(約1週間)を加えると、10月20日に相談されても(これから準備するわけですから)、もう間に合わないというケースも少なくありません。

 

これに対して、(1)の認識でご相談いただいているのであれば、会社の設立日は設立登記を申請した日となるため、月末の(法務局が閉まる)17時15分までに法務局に申請しさえすればよいので、10月20日に相談を受けたとしても、まだまだ余裕はあることになります。

いずれにしても、決めたら早く動くことをおすすめします。

 

 

ちなみに、毎年のことですが、年末が近づくにつれて、このようなご依頼が増えます。

「年内に登記を完了させて欲しい」って・・・汗

 

 

 (関連)年内登記完了にはいつまでに持ち込めばいいのか

 (関連)登記はいつ完了しますか?

 (関連)登記完了までにかかる日数

 (関連)登記完了予定日が知りたい場合には

 


会社の事業目的は定款の一部

[ テーマ: 起業支援 ]

2017年10月19日12:08:02

司法書士として、会社設立のサポートをさせていただいているのですが、最初のコンタクトとしてメールでやり取りする際、依頼人と認識が異なる場面に遭遇することがよくあります。

その一つが「定款(ていかん)」です。

「定款」というのは、「会社自身が定める、会社等の目的、組織、活動に関する根本となる基本的なルール・規則」を定めたもので、会社を設立する際には必要になるものです。

 

 

依頼人の多くは、これは初めて起業される方が多いのですが、どうやら、「定款」=「会社の事業目的」だと考えているようなのです。

会社設立のご依頼をいただく際、ご自身で「定款」を作成したので…という申し出があり、見せていただくと、会社の事業目的を羅列しただけだったりすることが少なくありません。

たしかに、会社の事業目的は、定款に記載しなければならない「絶対的記載事項」の1つなのですが、それは定款の記載事項の一部であって、それを「定款」と呼ぶわけではありません。

 

 

こちらとしても、初めて会社を設立される方が、「定款」をご存知だとは思っていませんが、時々、「ご自身が考える定款(事業目的のこと)」を提示して、自分でそれを作成したので、司法書士報酬を値引きして欲しいという申し出を受けることがあり、今回、ちょっとブログに書かせていただきました。

 

 

なお、当事務所では、会社を設立するにあたり、定款に記載する主な事項は、

https://www.sihoshosi24.com/a1210.html

に掲載している、「相談シート」に書き込んでいただくことにしています。