[ テーマ: 商業登記 ]
2007年6月12日23:37:00
会社法施行時に存在していた株式会社(旧株式会社)については、定款に株券を発行しない旨の定めがある場合を除いて、株券を発行する旨の定めがあるものとみなされます(なくても「ある」という取り扱いです)。
旧株式会社については、株券を発行しない登記がある場合を除き、職権で株券を発行する会社である旨の登記がされています。
具体的には、謄本に「株券を発行する旨の定め」として、
当会社の株式については、株券を発行する |
と登記されています。
このような会社、または定款に株券を発行する旨の定めがある場合には、その規定を廃止することができます。
■ 定款変更
株券を発行する旨の定めを廃止する定款の変更が必要です。
株主総会の特別決議により行います。
■ 株主等への公告・通知
□ 株券を発行している会社
廃止する2週間前までに、次の事項を定款に定めた方法によって公告し、さらに、株主および株主名簿に登録された質権者に対して、各別に通知をしなければなりません。
(1)株券を発行する定款の定めを廃止すること
(2)廃止する日
(3)廃止した日に株券が無効になること
□ 株式の全部について株券を発行していない会社
通知のみ(または公告)で足ります。
■ 廃止の効力発生日
株主総会の決議の後、公告等をしその期間満了日の翌日に効力が生じます。
株主総会の前に公告等をすることにより、株主総会の決議の日とすることもできます。
■ 添付書類
・株主総会議事録(株主リスト付)
・公告をしたことを証する書面(株券を発行している会社)または株主名簿(株券を発行していない会社)
・司法書士に委任する場合の委任状
■ 登録免許税
3万円 (登録免許税法別表第1二十四(一)ネ)
株券を発行する旨の定めを廃止する場合の手続きを弊所に依頼されたい場合には下記へお問い合わせください。
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
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[ テーマ: 商業登記 ]
2007年5月11日15:30:00
先日、ある懇親会の席で、税理士さんよりこんな相談を受けました。
「監査役はその会社の社員として働いてもいいのでしょうか」
結論からいいますとダメです。
会社法335条には、次のように規定されています。
(監査役の資格等)
第335条
2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
監査の公正を確保するために、監査役は会社からの独立性を維持するという趣旨です。
また、別の方からこんなお話がありました。
「ウチの定款には、監査役の任期は3年となっているから、監査役の任期は3年である」
現在の監査役の任期は4年ですから、この発言は正しくありません。
法改正があり3年から4年に変わる前に作成された定款を、そのまま使っているのでしょう。
監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時総会の終結のときまでとするのが原則です(会社法336条1項)。
ただし、公開会社でない株式会社(株式の譲渡制限会社)においては、定款によって、監査役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができる(同条2項)とされています。
現在、この会社様の定款の見直しをしています。
会社法に合わせて取締役会を廃止し、スリム化をしたいという依頼です。
このように、当事務所では御社の定款の見直しも承ります。
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
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[ テーマ: 商業登記 ]
2007年4月10日21:31:00
最近、なぜか解散、清算のご相談が続いています。
ということで、解散、清算について解説します。
会社が本来の目的である事業活動をやめて、会社の財産関係の清算をする状態に入ることをいいます。
解散しても会社はすぐに消滅するわけではなく、その後清算の目的の範囲内においてのみ存続する(営業活動はできません)こととなり、清算人により清算手続きの終了とともに法人格を失い、会社は消滅します。
1 定款で定めた存続期間の満了または解散の事由の発生
2 株主総会の決議による解散
3 その他
(1)合併による解散
(2)破産手続会社の決定
・・・ 裁判所書記官が手続をするので解散登記の申請は不要です。
(3)裁判所による解散命令または解散の訴えの認容判決
・・・ 裁判所書記官が手続をするので、解散登記の申請は不要です。
(4)休眠会社のみなし解散
・・・ 休眠会社というのは、12年間(取締役等の任期の上限が10年に延長されたことを受けて、以前の5年から12年に延長されました)、何の登記もしていない会社のこと。
登記官が職権で登記をするので解散登記の申請は不要です。
会社の解散後、清算会社は、清算処理のため次のような手続をすることになります。
1 解散の登記、清算人の就任の登記
2 解散原因が発生した日における財産目録及び貸借対照表の作成・承認
3 清算事務年度に係る貸借対照表、事務報告及び付属明細書の作成、承認(報告)
4 清算人による清算事務として、(1)解散時に終了していない会社の事務を完了、(2)残余財産の分配
1 債権者保護手続
清算人は、清算人となった日から2か月以上置いた債権申出期間内に、その債権を申し出るべき旨を官報に公告します。
また、存在がわかっている知れたる債権者には、個別に催告しなければなりません。
2 清算人による清算事務として、(1)債権の取立て、(2)債務の弁済を行います。
* 弊事務所にご依頼いただいた場合には、弊事務所と提携している税理士と連携して手続をいたします。
会社の解散・清算登記手続き、承ります。
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。
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