[ テーマ: 商業登記 社名・商号 ]
2026年10月8日16:12:00
会社を設立するにあたり、決めるのに意外と時間がかかるのが「会社名(商号)」です。
司法書士として会社設立のご依頼を受けていると、会社名の決め方も本当にいろいろだなと思います。
そんな中、先日、興味深いニュースを見つけました。
「AI」を社名に含む新設法人が、この数年で大きく増えているというニュースです。
せんデータ株式会社の調査によると、「AI」を社名に含む新設会社は、2022年の86社から2025年には368社に増加。
2026年については、8月までの8か月間ですでに305社に達しているそうです。
AIが世の中でこれだけ話題になり、実際に仕事やサービスにも使われるようになっていることを考えると、会社名にもその影響が出ているということなのでしょう。
出典:PR TIMES掲載「せんデータ株式会社」のプレスリリース
考えてみれば、「AI」に限った話ではありません。
世の中で話題になった言葉が、会社名に使われたり、逆に避けられたりすることは以前からあります。
私も以前、「コロナ風評被害で社名・商号を変更する登記手続き」という記事を書きました。
2020年、新型コロナウイルスが広がっていたころの記事です。
当時、登記情報を調べてみると、社名に「コロナ」が含まれている会社が全国に291社ありました。
その後、2021年12月に改めて調べると、300件を超えていました。
もちろん、昔から「コロナ」という言葉を社名に使っていた会社もあります。
一方で、コロナ対策などを事業にする会社が増えたことで、新たに「コロナ」を社名に入れる会社もあったようです。
同記事では、元号が「平成」から「令和」に変わったときのことにも触れています。
新元号が発表された2019年4月1日の時点では、東京商工リサーチの企業データベースには、社名に「令和」を含む会社は存在しなかったそうです。
それが1か月ほどの間に、新設や商号変更によって73社に。
その後、国税庁の法人番号公表サイトで調べたところ、「令和」を含む会社は576社になっていました。
こうして並べてみると、「令和」「コロナ」「AI」と、その時代に注目された言葉が会社名にも登場していることがわかります。
もちろん、これらを同じように考えてよいのかという問題はあります。
「令和」は新しい元号ですし、「コロナ」は感染症、「AI」は技術です。
それでも、会社を作る人が「今の時代」を意識して社名を決めることがある、という点では共通している印象を受けます。
では、実際に会社を設立するとき、どのような社名にするのでしょうか。
これは本当に人それぞれですが…
「○○不動産」「○○食品」「○○システム」のように、一目で何をする会社なのかがわかる社名です。
自分の名前や家族の名前を使う方法です。
弊事務所は法人ではありませんが、事務所名は名前を入れています。
会社を始める地域や、創業者にゆかりのある地名からとる方法です。
個人事業から法人化する場合には、これもよくある決め方です。
既存の言葉を組み合わせたり、オリジナルの言葉を作ったりする方法です。
現在の事業だけではなく、将来展開したい事業をも意識して社名を付ける方法です。
今回の「AI」などが、その一例になるでしょう。
これも、もちろんありです。
司法書士としては、最初に会社名について「登記できるかどうか」を確認します。
株式会社なら「株式会社」、合同会社なら「合同会社」という文字を商号に入れなければなりません。
また、同じ住所(本店所在地)に同じ社名(商号)の会社がすでに存在する場合(同一商号の問題)など、登記する前に確認します。
ただ、登記できる名前であれば、それで十分かというと、そうとも限りません。
例えば、「AI」という言葉を社名に入れたけれど、数年後にはAIとは全く関係のない事業を中心にしている。
逆に、現在はそれほどAIを使っていなくても、これからAI関連の事業を大きくしていくつもりで社名に入れる。
どちらもあり得ます。
会社は数年で終わるとは限りません。
10年、20年と続いていきますから、「今、流行っているから入れる」だけではなく、「この会社名を10年後、20年後にも使っているだろうか」という視点で考えてみてもいいのかもしれません。
会社設立の仕事をしていると、依頼者さんに社名を決めるまでの経緯や由来を尋ねることがあります。
「昔からこの名前で仕事をしていた」
「この事業をやりたかったから、この言葉を入れた」
「響きが気に入った」
など、本当にさまざまです。
会社名そのものに、正解があるわけではありません。
ただ、会社名を考えるということは、「これからどんな会社にしていくのか」を考えることでもあるのだと思います。
今回の「AI」のニュースを見て、以前書いた「コロナ」や「令和」の記事を思い出しました。
その時代に話題になっている言葉が、会社名にも入ってくる。
そう考えると、会社名を調べてみるだけでも、その時代にどんなことが起きていたのか、少し見えてくるのかもしれません。
今から何年か経ったときに、「そういえば、2020年代には『AI』という言葉を社名に入れる会社がずいぶん増えたな」となるのかもしれません。
そう考えると、会社名を決めるというのも、単に登記のための名前を決めるだけではなく、その時代の空気を少し取り込む作業なのかもしれません。
これから会社を作る方は、まず「どんな会社名にするか」を考えてみてください。
執筆:司法書士 西尾努
(※本記事は一般向けの解説です)
会社の所在地が東京以外であっても、司法書士が法務局に現地の法務局に出向く必要はなく、オンライン申請で行うため全国対応可能です。
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03‐5876‐8291 または、
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[ テーマ: 定款記載例 ]
2026年10月6日11:36:00
作成 2019年03月06日
更新 2026年10月06日
一般に「民泊」と呼ばれているものにはいくつかありますが、ここでは住宅宿泊事業法に基づく「住宅宿泊事業」を前提にします。
会社が自ら住宅を宿泊施設として提供するのであれば、定款の目的としては、例えば、
「住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業」
などが考えられます。
一方、民泊を行う会社から委託を受けて住宅の管理をするのであれば、
「住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊管理業」
という目的が考えられます。
また、他人の民泊物件について宿泊の仲介を行うのであれば、
「住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊仲介業」
という目的が考えられます。
したがって、実際に行う事業が決まっているのであれば、それに合わせて目的を定めればよいでしょう。
ただ、会社を設立する段階では、「自社の物件で民泊をする予定だが、将来的には他社の民泊物件の管理もするかもしれない」といったように、具体的な事業内容がまだ決まっていないこともあります。
そのような場合には、
と、3つ全てを目的に入れておくとよいでしょう。
実際にはまだ行わない事業であっても、将来行う可能性があるのであれば、設立時にあらかじめ目的に入れておくこと自体に問題はありません。
後日、「やっぱりこの事業もやりたい」となった場合には、定款を変更して目的変更登記をすることになります。
会社の目的変更登記については、登録免許税だけでも3万円かかります。
司法書士に依頼する場合には、別途、司法書士報酬(弊所の場合には、2.2万円)も必要になります。
そのため、将来行う可能性がある事業については、設立時にある程度余裕をもって目的に入れておくというのも一つの方法です。
もちろん、将来やるかもしれないものなら何でも入れておけばよいというわけではありません。
会社が実際に行う予定の事業や、将来行う可能性のある事業を考えながら、目的を決めることになります。
住宅宿泊事業を行う場合、定款の目的に「住宅宿泊事業」と記載することが考えられますが、住宅宿泊事業法上の届出をするために、登記簿の目的に住宅宿泊事業が追加されていることが必須というわけではありません。
ただ、会社が実際に行う事業であれば、定款の目的にも入れておいたほうがわかりやすいでしょう。
すでに会社があり、新たに民泊事業を始めるのであれば、現在の定款の目的を確認して、必要に応じて目的変更の登記をすることになります。
これから設立する会社の定款(原始定款)にはその旨を盛り込むだけで良いのですが、設立したあとに(株式会社が)定款に盛り込むためには、株主総会を開催して定款変更について特別決議が必要となります。
合同会社については、原則として総社員の同意で定款変更を行います。
執筆:司法書士 西尾努
(※本記事は一般向けの解説です)
会社の所在地が東京以外であっても、司法書士が法務局に現地の法務局に出向く必要はなく、オンライン申請で行うため全国対応可能です。
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