[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2018年11月8日12:16:00
株式会社等を設立する際、公証役場で定款の認証手続きを受けなければなりませんが…
今年(2018年)11月30日から、通常の手続きに加えて、設立する法人の「実質的支配者」を申告する手続きが必要になります。
暴力団員及び国際テロリストによる法人設立を防止し、マネーロンダリングなどの法人の不正利用を抑止するため、というのが今回の改正の趣旨とされています。
■ 対象となる法人
株式会社、一般社団法人、一般財団法人 (合同会社は含まれません)
■ 実質的支配者とは誰を指すか
法人の事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にある自然人のことを指します。
たとえば、株式会社の場合・・・
(1) 設立する会社の議決権の、直接又は間接保有50%を超える自然人
(2) 上記1の該当者がいない場合は、25%を超える自然人
(3) 上記1、2の該当者がいない場合は、出資、融資、取引その他の関係を通じて、設立する会社の事業活動に支配的な影響力を有する自然人
(4) 上記1から3の該当者がいない場合は、設立する会社の代表者(代表取締役)
新たな定款認証制度の詳細については、日本公証人連合会 http://www.koshonin.gr.jp/business/b07_4#newteikan で紹介されているのでご参照ください。
申告する内容については、「実質的支配者となるべき者の申告書」
http://www.koshonin.gr.jp/pdf/teikan_shinkoku_kaisha.pdf (株式会社用)
に記載されているとおりで、実質的支配者の「住居」「氏名」「生年月日」「国籍」「暴力団員等に該当するか否か」等をこの申告書で申告します。
ちなみに、本人特定事項等の資料として「運転免許証等の写し」も添付することになります。
なお、認証される定款には、従来の認証文に加え、「嘱託人は、『実質的支配者となるべき者である◎◎は暴力団員等に該当しない』旨申告した。」という文言が記載されます。
法人の設立行為が違法と公証人が判断した場合、定款の認証は行われないのは言うまでもありません。
ところで…
今回の改正の趣旨について、「マネーロンダリングなどの法人の不正利用を抑止するため」なんて書きましたが―
今日、うっかり、1,000円札を洗濯してしまいました。
お金を洗浄…これも広~い意味でのマネーロンダリング(資金洗浄)といえるのかもしれません。
ドキドキしながら、開いてみると、
クシャクシャにはなったものの、破れたり、穴が空いたりすることはなく…ホッとしました。
こういう資金洗浄も未然に防がなくてはなりませんね、反省。
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
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[ テーマ: 合同会社設立手続き ]
2018年11月1日17:07:34
以前、設立に関わらせていただいたお客さまから、合同会社の設立を希望されているお客さまをご紹介いただきました。
ありがとうございます。
メール、電話等で事前の打ち合わせを済ませ、会社を設立するための書類を作成し、法人の印鑑セットの発注して無事にお客さまの手元に届いたことが確認でき、
お客さまのほうも、資本金の払い込みを済ませ、印鑑証明書も取り付けて、準備できたというご連絡をいただいたので、書類に押印をいただくため、訪問しました。
メール、電話等では何度もやりとりをさせていただいているのですが、お会いするのは今日が初めて。
名刺交換をし、まずはご本人確認、登記事項の最終確認、そして設立登記に必要な各種書類へ押捺していただきました。
書類が全て調い…いつでも登記できる状態になったので、
「設立日はいつにしましょうか」と私。
「できれば、覚えやすい日がいいです。たとえば今日は…」
と携帯で何かを調べ始めました。
「今日は仏滅?…ではなく、友引ですね。じゃ、今日、設立したいです。」
「・・・」
会社の設立日というのは、管轄法務局に設立登記を申請した日のことですから、これから大急ぎで準備をして登記を申請しなければなりません。
この打ち合わせの後、役所を回る予定だったのですが、急遽、変更して、設立登記の申請をするため、事務所に戻ることになりました。
幸い、今は、事務所からインターネットを利用したオンライン申請ができるので、わざわざ管轄法務局に足を運ぶ必要がありません。
なので、全国どこでも大丈夫といえば、大丈夫。
でも、それは設立する会社が合同会社だから可能になるのであって、もし、これが株式会社であればそうも言っていられません。
株式会社の場合には、公証人による定款認証があるからです。
設立する会社の本店が都内であれば都内にある公証役場で、神奈川県であれば神奈川県内の公証役場で定款認証手続きを受けなければならず…定款認証もオンラインで申請できるといえばできるのですが、最終的に公証役場に出向く必要があります。
今回の会社がもし、株式会社だったら…
事務所戻って、定款認証のためのオンライン申請をした後、公証役場に行き、認証手続きを終えた定款を受領して、また事務所に戻って会社の設立登記を申請しなければなりません。
「定款認証手続き」分の時間がとれるかどうかが勝敗の鍵を握っているわけで…
一方、合同会社の場合には、定款は作成しますが、公証人による認証手続きが不要なため、それに要する時間がないため、スピーディーに対応することができます。
今日、設立(申請)したいというのであれば、書類さえ揃えば何とかなります。
設立手続きが簡単なうえ、その分(?)、設立にかかる費用も安く済みます。
という感じで、先ほど、無事に登記を申請することができ、ホッとしています。
会社設立登記について、電話によるご相談・お問い合わせ・お見積の依頼(無料)は、
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[ テーマ: 法人口座開設 ]
2018年10月23日11:04:00
先ほど、東京から遠く離れた○○県にある合同会社のA社長からお電話をいただき、こんな情報をいただきました。
ちなみに、この会社からご連絡をいただいたのは今回が初めてです。
(弊事務所のブログに)合同会社の漢字の略語は(同)だと書いてありましたが、国土交通省に提出する書類にそのように省略したところ、誤りだと指摘されました。
(同)だと協同組合と重複するので、合同会社は(合)と略すと言われました。
ちょっと混乱しています。
<関連ブログ記事>
合同会社の略称(2009年11月10日)
合同会社の略称・続編(2011年1月9日)
銀行口座の略称は、「一般社団法人全国銀行協会 平成1年4月21日制定 預金口座振替事務取扱基準」
の21ページに、合同会社はカナ文字の略称は「ド)、(ド)、(ド」と規定されています。
ちなみに、協同組合は、「(キョウクミ)」と略すようです。
たとえば、土浦市のホームページには、次のような「法人等略語一覧表」が利用されており、
これによると、合同会社は、「(同)」であり、「ド)、(ド)、(ド」と略し、協同組合は、「(協組)」であり、「キョウクミ」と略すルールになっています。
そして、問題の国土交通省ですが…「平成29・30年度 一般競争(指名競争)参加資格審査 申請書作成の手引き」などを見ると、
(リンク切れ 2021.1.7)
http://www.mlit.go.jp/common/001154574.pdf#search=%27%E5%90%88%E5%90%8C%E4%BC%9A%E7%A4%BE+%E5%8D%94%E5%90%8C%E7%B5%84%E5%90%88+%EF%BC%88%EF%BE%84%EF%BE%9E%EF%BC%89+%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%E7%9C%81%27
たしかに、A社長が指摘するように、その31ページに、合同会社は「(合)」と略し、協同組合は「(同)」と略すと書いてありました。
「(合)」とすると、合名、合資との区別ができなくなりそうですが、それぞれ「(名)」「(資)」と略すというルールがあるので混乱はないようです。
今回のA社長からの情報提供で、合同会社を略す場合には、「(同)」、「ド)、(ド)、(ド」と略すのが一般的ですが、相手方のルールで、「(合)」とするケースもあるということがわかりました。
その後、A社長から、
| 突然の電話で驚かれたことと思います。 添付ファイルは、○県庁で提示してもらったものです。 国土交通省の分厚い冊子に記載されています。 先生の説明で、ある程度の納得が出来ました。 |
という返信をいただきました。
なお、今回は、これだけをお伝えいただくためにお電話をいただいたようです。
正直な話、国土交通省の略称の取り扱いがそうなっているとは知りませんでした。
A社長に感謝です。
ありがとうございました。
<関連ブログ記事>
合同会社の略称(2009年11月10日)
合同会社の略称・続編(2011年1月9日)
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作成 2018年10月23日
更新 2021年1月7日
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