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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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【役員変更】取締役の就任承諾書の印鑑は実印?

[ テーマ: 役員変更手続き ]

2019年4月27日13:17:00

株式会社で、取締役が新たに就任した場合(重任・再任を除きます)、登記を申請する際には、原則としてその取締役の「就任承諾書」を登記申請書に添付します。

その際、就任承諾書に押印する印鑑は実印ですか?というご質問をよく受けます。

 

就任承諾書に押印する印鑑については、申請する株式会社が取締役を設置しているか、していないかによって取り扱いが異なります。 

取締役会設置会社かどうかについては、登記簿謄本(全部事項履歴証明書)の最後の部分に、「取締役会設置会社」と登記されているかどうかで判断します。

 

取締役会設置会社の役員変更 取締役会設置会社

 

1.取締役会を設置していない会社 

取締役の就任承諾書には個人の実印を押します。

その際、市区町村発行の個人の印鑑証明書の添付が必要です。

ちなみに、重任・再任の場合にはこの印鑑証明書の添付は不要です。

 

2.取締役会を設置している会社

就任した取締役が代表取締役にもなる場合に個人の実印を押します。

その際、発行後3か月以内の市区町村発行の個人の印鑑証明書の添付が必要です。

なお、代表ではない、いわゆる「ひら取締役」は認印でも差し支えありませんし、印鑑証明書の添付も不要です(ただし、住民票等の本人確認書類は必要です)。

 本人確認書類とは

 

 

ちなみに、商業登記規則には次のように規定されています。

(添付書面)
商業登記規則第61条

(省略)

2  設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑についても、同様とする。

3  取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。

 

  取締役変更登記の必要書類について 

 

 

役員変更登記は、

登録免許税1万円(資本金1億円以下)、司法書士報酬1万円(税別)で承ります。

 

無料で取締役など役員の任期を診断します

 

電話によるご相談・お問い合わせ・お見積の依頼(無料)は、
03‐5876‐8291 または、
司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。

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【役員変更】有限会社の代表取締役就任 変更登記の必要書類

[ テーマ: 役員変更手続き ]

2019年4月27日13:11:00

更新 2021年2月7日
作成 2019年4月27日

有限会社の代表取締役が変わる場合とは

有限会社の取締役には株式会社のように「任期」がないので、代表取締役が自ら辞任する(辞める)か、解任する(クビにする)か、死亡によって変わります(欠格事由もありますがここでは省きます)。

 

有限会社の変更登記

 

有限会社の代表取締役を変更する場合

ここでは、現代表取締役が代表取締役又は取締役を辞任し、それによって後任者を選定するケースを取り上げます。

有限会社の代表取締役の選任方法には、一般に2つの方法があります。

1 定款の定めに基づく取締役の互選

2 株主総会の決議

そのほかにも「定款による選任」という方法もありますがこれまで見たことがありません。

 

1 定款の定めに基づく取締役の互選

互選(取締役の過半数で決めること)で選任できるのは、定款に互選の規定がある場合に限ります。

(定款の記載例)
当会社に代表取締役を1人置き、取締役の互選によって定めるものとする

なお、この方法による場合には、登記申請時にその規定がある「定款」を添付します。

<登記に必要な書類>
・定款(全部のページをコピーし、契印(割印)をした上で原本証明)
・取締役の互選書
・就任を承諾したことを証する書面
・代表取締役になる者の個人の印鑑証明書(3か月以内)
・取締役の互選書に署名捺印した者の印鑑証明書(不要な場合もあり)
・司法書士への委任状
・印鑑届書

 

2 株主総会の決議

定款に、代表取締役は株主総会の決議によって選任する旨の定めがある場合、または代表取締役の選任方法について、定款に規定がない場合には、株主総会の決議によって選任します。

なお、定款に「互選によって選任する」という規定がある場合には、株主総会で選任することはできません。

この場合には、前提として株主総会で選任する旨を定款に定める(定款を変更する)必要があります。

<登記に必要な書類>
・株主総会議事録
株主リスト
・就任を承諾したことを証する書面
・代表取締役になる者の個人の印鑑証明書(3か月以内)
・株主総会議事録に署名(記名)捺印した者の印鑑証明書(不要な場合もあり)
・定款(不要な場合もあり)
・司法書士への委任状
・印鑑届書

 

当事務所にご依頼いただいた場合の登記費用は

(1)登録免許税、(2)司法書士報酬、(3)実費を合計したものをお支払いいただくことになりますが、

(1)登録免許税 1万円(資本金1億円を超える場合は3万円)

(2)司法書士報酬 1万円(税別)

(3)謄本代・送料などの実費  実費の内訳についてはこちらをご参照ください

 

 

  取締役変更登記の必要書類について 

役員変更登記は、登録免許税1万円(資本金1億円以下)、司法書士報酬1万円(税別)で承ります。

 

電話によるご相談・お問い合わせ・お見積の依頼(無料)は、
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【本店移転】同じビル内、同じフロアで会社の本店移転

[ テーマ: 本店移転登記 ]

2019年4月14日13:54:00

同じビル内で会社の本店を移転したが登記は必要?

「同じビル内の、同じフロアで、201号室から202号室に会社の本店を移転したが登記は必要ですか」

というご相談をいただきました。

実は、これだけでは、本店移転登記が必要かどうかについて即答できません。

現在、どのように本店所在地が登記されているかによって、回答が変わってくるからです。

会社の本店所在地の登記は、具体的に「〇丁目〇番〇号」と町名地番までは必須となっており、そこから先のビル名・マンション名、部屋番号は任意とされています。

最近では、法人口座を開設する銀行の指示や郵便の都合などで、ビル名・マンション名や部屋番号まで登記する会社が多いようです。

 

ビル内の本店移転

 

部屋番号まで登記されている場合

登記簿謄本に、会社の本店所在地が、町名地番に加えて部屋番号まで登記されている場合には、部屋番号が変わるため、変更登記(本店移転登記)が必要となります。

取締役会を設置している株式会社であれば、取締役会の決議で、

設置していない株式会社、有限会社であれば、取締役の過半数の賛成で、

合同会社の場合には、総社員の同意で、

本店移転登記の申請をすることになります。

 

部屋番号までは登記されていない場合

登記簿謄本に、町名地番までしか登記されていない場合には、部屋番号が変わっても登記の内容には変更が生じませんので、本店移転登記は不要です。

登記手続きは生じません。

 

定款の変更は必要か?

本店移転登記が必要か否かとは別に、定款を変更する必要があるか、という問題もあります。

定款は、最低限、独立の最小行政区画(市区町村)まで規定すればよいとされています。

 定款の規定 本店所在地

たとえば、定款に、「本店を東京都新宿区に置く」となっていれば、部屋番号が変わっても、この文言に影響しないため、定款を変更する必要はありません。

もし、定款に、「本店を東京都新宿区新宿一丁目2番3号◎ビル201号室に置く」となっていれば、変更が生じるため、本店を移転する前提として定款を変更する必要があります。

この変更は、株式会社・有限会社の場合には株主総会の特別決議で、合同会社の場合には総社員の同意でする必要があります。

 

同じビル内での本店移転の登記費用と司法書士報酬は?

今回のご相談者の登記簿謄本を確認したところ、部屋番号まで登記されていたため、本店移転登記が必要になるケースでした。

取締役会設置の株式会社だったため、取締役会を開催し、本店移転を決定していただくようアドバイスさせていただきました。

なお、この場合の登記費用は、

(1)登録免許税 ・・・ 30,000円
(2)司法書士報酬(書類作成、申請代行、証明書取得) ・・・ 22,000円
(3)その他実費    実費の内訳

 

 

 

(関連)

 本店移転登記の手続き・登記費用

 ビル名を登記している場合、ビル名が変わると本店変更登記

 同じビル内での移転で本店移転登記(フロアが変わる場合)

 

 

株式会社、有限会社、合同会社の本店移転登記をサポートいたします。

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