[ テーマ: 相続登記手続き ]
2020年6月10日17:59:00
今日、読んだ本は、「恐山: 死者のいる場所」。
恐山は、青森県下北半島にある霊場で、唯一、「日本三大霊場」「日本三大霊地」「日本三大霊山」のいずれにもランクインしています。
この本は、幼い頃から「死とは何か」というテーマを抱えながら、大学に進学し、社会人になった後、永平寺(福井県)に出家し、約20年の修行生活を経て、霊場・恐山を管理する菩提寺の院代(住職代理)をされているお坊さん、南直哉氏が、「人は死んだらどこへゆくか」について書いたもの。
私自身、恐山へは一度だけ、20年以上も前にバイク・ツーリングで本州の北端に行った際、寄り道したことがあります。
ねぷた祭りの時期だったのですが、殺伐とした風景、カラフルな風車が回っている異様な光景にゾッとしたことを覚えています。
ただ、イタコがいると期待していたのに、一人もいないし、そういう場所も見つからない上、教えてくれる人もいなかったのが残念で、何となく散策して帰ったのですが―
この本によると、イタコというのは恐山が管理しているわけではなく、個人業者で縁日の出店のように、出張営業に来ているだけなのだそう。
恐山側は、イタコを管理しているわけではなく、歴史的な経緯もあるため、イタコが集まって、死者の魂を呼ぶ口寄せという降霊術を行うのを拒まないらしい。
平均年齢は80歳を超えており、弟子入りする者はいても続かないため、後継者は少なく、絶滅危惧種だそうで、この本が書かれた時には、40代の若いイタコは2人しかいないという状態なのだとか。
死者の魂を呼ぶ「口寄せ」をするのが仕事のようで、多くは依頼人の先祖の魂を呼び寄せるのですが、中には、外国人だったり、歴史上の人物の魂等も呼び寄せるというから驚きです。
ちなみに、イタコの訛りがひどいため、外国人の場合には、外国語-日本語-下北弁と最低2人の通訳が必要になるそうです。
「人は死んだらどこへゆく」のこの本の本筋とはズレますが、司法書士という仕事柄、とても興味があるエピソードが書かれていたので紹介します。
ある家庭で―
お父さんが亡くなり、子どもが5人いたのですが、お父さんの遺産の分配について、兄弟間の決着がつかないため、死んだ父親をイタコに口寄せで呼び出してもらい解決しようとしたことがあったのだそう。
被相続人:父、相続人:子が5名という事例です(配偶者の母は既に死亡)。
イタコもイヤだと断ればいいのに、プロ根性からか引き受けたらしい。
口寄せして出てきた父の言葉は、その依頼主(5人の子のうちの1人)のお気に召さなかったようで、その苦情が恐山のほうに向けられたというエピソードでした。
司法書士から見ると、笑うしかない話ですが、当事者は本気だったのでしょう。
仮に相続人だけではなく、証人として(?)公証人を連れて来て、宣誓供述書的なヤツや公正証書を作ってもムリな話ですから。
(イタコの言うことが納得できるもので、相続人全員がそれに合意して遺産分割協議が成立してしまったというのなら、話は別かもしれません)
ところで、法律で法定相続分は定められていますが、相続人全員の話し合いがまとまれば、法定相続分とは無関係に、自由に遺産を分割することができます。
その話し合いを「遺産分割協議」といい、遺産分割協議書を作成して不動産の相続登記を申請することになります。
遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判の申し立てをして、裁判所の力を借りて解決に導いてもらうことができます。
まとまらないからといって、恐山に行き、イタコに、被相続人を呼び出して口寄せしてもらい…なんて考えは起こさないようにしましょう。
てなことを考えてながら、この本を読みすすめましたが、正直、「死」を考えるより、死ぬ前に最低でもあと一回、バイクで恐山に行きたいな、と思ったり。
(青森関連記事)
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[ テーマ: 登記全般 ]
2020年5月26日14:29:00
4年前、初めて「社会保険労務士法人」の設立登記手続きのご依頼をいただいてから、これまで数社の設立に関わってきました。
平成28年に、それまで設立にあたり、社員(社会保険労務士)が2名以上必要だったものが、1名でも法人を設立することができるようになったということで、ご依頼をいただ案件は全て「一人社会保険労務士法人」という形態でした。
それから数年経過し、一人社会保険労務士法人に社員(社労士)が加入したので、社員が一人でなくなった変更登記をして欲しいというご依頼をいただきました。
「一人」社労士法人」から、「複数」社労士法人への変更…初めての経験です。
登記手続きは、普通に…たとえば合同会社のように…社員が1名増える程度に思っていたのですが、なかなか…
手元には一人社労士法人を変更する手続きに直結する専門書もないし、インターネット上にヒントになることが出ているかと期待したのですが見つけ出せず、とりあえず今ある知識を組み合わせて書類を作成しました。
また、登記事項のうち、「役員に関する事項」で登記する内容もちょっとクセがあるし、添付書類の中には、通常の会社の役員変更登記にはない「社員資格証明書」もあり、若干の不安も抱えながら登記を申請しました。
申請したのは、タイミングが悪く、ちょうどコロナ騒動の影響で法務局の登記手続きが遅れている真っ最中で申請から完了までの期間が1か月ほどありました。
その間、法務局から補正や何か連絡があるとイヤだな、と思いながら過ごしているうちに、ようやく登記手続きが完了したという通知が届き、ホッと胸をなでおろしました。
完了通知が来るまでの1か月の長かったことといったら。。。
一度経験すれば、あとは楽勝。
良い経験させていただきました。
ありがとうございます!!
(関連記事)
一人社労士法人から社労士法人への変更手続きについて、ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
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[ テーマ: 本店移転登記 ]
2020年5月25日09:18:00
○○の登記をした場合、いくらかかりますか?など、登記費用に関するご質問をよくいただきます。
昨日はこんなご質問をいただきました。
「住所を変更する予定ですが、登記費用を教えてください」
これだけでは、なかなか回答が難しかったりします。
変更する内容によって、登録免許税や司法書士報酬が変わるため、「住所を変更する」という情報だけでは登記にかかる金額を提示することができません。
そのようなお問合せをいただいた場合には、こちらから詳細な情報を尋ねるメール等を返信させていただいております。
「住所」について変更が生じる場合には、以下の点について教えていただけますと、一発で登記費用をご案内することができますので参考にしてください。
(1)移転するのは会社の本店住所ですか
会社の本店住所と役員の住所が登記されています。
(2)会社の本店住所を移転する場合、どこ(現在)からどこへ移転しますか?
登記費用を出す段階では、詳細な住所は必要ありません。
管轄法務局が変わるかどうかで登録免許税額、司法書士報酬額が変わるため、それを確認するのに、何区(市区町村)から何区(市区町村)へ移転するのかがわかればけっこうです。
(3)役員の住所は変更ありますか
株式会社の代表取締役、有限会社の取締役、合同会社の代表社員の住所は登記されているため、住所が変わると変更登記をしなければなりません。
ちなみに、株式会社の(代表ではない)取締役、合同会社の業務執行社員の住所は登記されていないため、住所が変わる場合でも変更登記を申請する必要はありません。
とはいえ、登記費用を出すためにどんな情報が必要かまでは、ご存じないでしょうから、ざっくりとした内容でお問合せいただければ、費用を出すためには、これとこれを教えてください、と返信いたしますのでご安心ください。
ご相談、ご質問については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。
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