[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2016年4月7日11:58:00
先ほど、代表取締役全員が外国在住の外国人の株式会社の設立登記を申請しました。
ちなみに、取締役の一部は日本在住の日本人です。
以前は、会社を設立する場合、代表者のうち、最低でも1人は日本に住所がなければならなかったのですが、約1年前(平成27年3月16日)に、その取扱いが変更となりました。
代表取締役全員が日本に住所がない会社の設立登記申請は受理される
昨年、取扱いが変更された後、当事務所で、初めてそれに該当するご依頼をいただきました。
正直なところ、これまで認められなかったものが認められるようになったという変更は、逆の変更と比べると不安になります(登記を申請して、法務局からその登記できないと言われるほど恐怖を感じることはありません…)。
申請前に、もう一度、その要件を確認し…
(引用) http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00086.html(法務省)
昭和59年9月26日民四第4974号民事局第四課長回答及び昭和60年3月11日民四第1480号民事局第四課長回答の取扱いを廃止し,本日以降,代表取締役の全員が日本に住所を有しない内国株式会社の設立の登記及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記について,申請を受理する取扱いとします。 |
オンライン方式を使った会社設立登記の申請の、最終段階である最後の送信ボタンをクリックする瞬間は妙に緊張しました。
また、今回の代表取締役は台湾に住む台湾の方でした。
実は、(不動産登記の場面で)台湾の方の各種証明書の取扱いの特殊性、具体的には、
1.台湾の公証人の認証
2.台湾の外交部の認証
3.日本にある台北駐日経済文化代表処の認証
の3つの認証が必要になる点についてはこれまで何度か研修も受け、その手続の複雑さを感じていたところで…。
ですが、それも、昨年の3月にその取扱いが(東京法務局管轄において)変更となり、3つの認証はいらなくなりました。
でも、その取扱いが不動産登記のみなのか、会社の登記もなのか、そもそも会社の登記では3つの認証がいらないのか、いろいろと調べて…
そんなこんなで、何とか本日、登記申請をすることができました。
今回は、とてもいい勉強、いい経験をさせていただきました。
[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2016年2月22日16:33:32
今日、ネットのニュースサイトを見ていたら、「文字と一緒にイラストが彫られた「痛印」」が注目されているという記事に目が釘付けになりました。
2015年3月
(痛印堂の印鑑通販サイト http://www.itaindou.com/ )
日産の人気車種36種類からイラスト、そして文字、書体の組み合わせが自由なオーダーメイドの印鑑が作れて、しかも、実名を入れれば銀行印として、またこれを実印登録できる自治体もあるらしい。
個人の実印として登録できるなら、法人の印鑑(法務局届出印)として法務局に届出ることができるか…という点が気になりますが、
法人の印鑑の条件は、商号登記規則第9条第3項、第4項に規定があり、
3.印鑑の大きさは、辺の長さが1センチメートルの正方形に収まるもの、または、辺の長さが3センチメートルの正方形に収まらないものであってはならない。
4.印鑑は、照合に適するものでなければならない。
とされています。
それ以外はとくに条件がないので、使用できないわけではなさそうです(*)。
仮に使用できたとしても、会社の印鑑としてそのような印鑑を押されたら取引先が何て思うか…
(2015年3月4日)
* この記事を書いてから1年弱経過し、再度、痛印堂のサイトを訪問してみると、印鑑の種類は驚くほど増えており、さらには、「代表痛印」という、「会社の登記などでも使える代表痛印!?」の販売もされているようです(「!?」が付いているのがちょっと心配ですが)。
そういえば、以前、これに似た、印鑑の中にネコが隠れている「ニャン鑑」も話題になりましたね。
(城山博文堂のサイト http://www.inkan.name/)
こちらの「ニャン鑑」は人気がありすぎて、現在、受注を停止しているような状況のようです。
先日、獣医のお客さまが法人を設立する際、こんなハンコもありますよ、と紹介したところ、興味を示されたようですが、さすがに法人の印鑑には…という感じでした。
私も紹介しておいて、もし、この印鑑を法人印として登録したいと言われたらどうしようと内心ドキドキしてしまいましたが。
なお、当事務所で会社を設立する際に、ご用意している印鑑セットは、
こんな感じの3本(角印、法人印、銀行印)セット、わりと普通のハンコ(素材はあかね)です。
チタン、黒水牛、アグニなんかも実費の差額をお支払いいただけたら、ご用意できます。
[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2016年1月25日11:25:00
会社の設立、役員変更などの取締役の就任に関わる登記を申請する際、選任され、その就任を承諾した取締役から「就任承諾書」を提出していただきます。
もし、その会社が取締役会を設置してない(取締役会非設置)株式会社の場合には、就任承諾書に取締役個人のご実印を押していただき、押された印が実印だということを証明するために、合わせて印鑑証明書を添付していただきます。
先日、取締役会を設置しない株式会社の設立登記のご依頼をいただきました。
取締役の就任承諾書には、実印が押され、印鑑証明書も添付されていたのですが―
たまたま、受け取った印鑑証明書が本物かどうか疑問に思うことがありました。
1.印鑑証明書の発行された場所
印鑑証明書には、発行された場所が印字されており、今回、渋谷区内に住所がある方から受領した印鑑証明書には、なぜか「新橋出張所」と記載されていました。
「新橋」と聞いて最初に思い浮かぶのは「港区の新橋」です。
渋谷区なのに、新橋(港区)で発行?
他の区でも印鑑証明書が取得できるようになったのかと思い、渋谷区役所に確認しました。
すると、渋谷区内に新橋出張所(恵比寿1-27-10 新橋区民施設1階)があることが判明し・・・紛らわしい~。
また、別のケースでは、
2.印鑑証明書の「すかし」等の不正防止処置
印鑑証明書は発行する役所ごとにデザイン、大きさが異なるのでやっかいなのですが、それぞれ工夫された不正防止処置が施されています。
市章などをデザインした「すかし」、「マイクロ文字」、「示温加工」といって、ある部分を指を当てるとその温度の上昇でピンクから白に変わるなど変色する特殊なインクを使っているものなど、いろいろです。
今回、受領した印鑑証明書にも、「すかし」が入っていると記載されていました。
一般に、印鑑証明書で使用される「すかし」には、すかして見ると明るくなるタイプのインキ(油透かし)と、すかして見ると暗くなるタイプのインキ(ホワイト透かし)の2種類があるのですが、どれも確認できません。
疑問に思い、発行した役所に問合わせたところ、そこで発行している印鑑証明書には、市章をデザインした「すかし」は入っていないことが判明(戸籍謄本にはあるのだそうです)。
『「すかし」等の不正防止処置』と書かれており、「等」があるため、間違いではないものの・・・
司法書士の業務、とくに登記業務は、毎回といってよいくらい、依頼者が変わります。
依頼者を信用し、偽造された証明書を提出されることは無いと思いながらも、依頼をいただく度に、このように細かい確認作業を行っています。
そのせいか、最近では、映画や小説も「クライムサスペンスもの」が中心になっていることに気がつきました。
クライムサスペンスと言っていいのかわかりませんが、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」などは映画自体も面白いし、仕事にも役立ちます(?)。
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