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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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役員変更登記のご依頼で困ること

[ テーマ: 役員変更手続き ]

2017年12月20日17:26:33

取締役の任期は登記されていない

株式会社の取締役、監査役などの役員には、「任期」があります。

 

 (任期)
第21条  取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

→ 定款サンプルより

 

この「任期」は登記されていないため、登記簿謄本(全部事項証明書)を取り寄せても記載されておらず、会社に保存している「定款」にしか記載されていません。

そのため、役員変更登記のご依頼時には、必ず定款をご用意いただき、役員の任期を確認しています。

 

任期は自動的に延長されない

現在、取締役の任期は原則2年、(一定の条件のもと)定款で規定すれば10年まで伸ばすことができます。

→ 任期について

なお、会社法施行前(平成18年5月よりも前)に設立した株式会社の任期は、一律2年でしたが、会社法施行後は、10年に変更することができるようになりました。

ただし、「変更することができる」というだけで、株主総会でその規定を変更しなければ、2年のままだという点にご注意ください。

会社法が施行されたから任期が10年になったと勘違いされている方もいらっしゃるようですが、決して自動的に10年に伸長されるわけではないのです。

 

役員変更登記のご依頼時に困ること

役員変更登記のご依頼を、いただく際、定款を見せていただくと書きましたが、その際、とても困ることがあります。

それは、「定款がない(失くした)」と言われることです。

任期は登記されておらず、基本的に定款でしか確認できないため、その状態では取締役の任期がいつまでなのかわからず、それが確認できない以上、こちらとしても適当な任期で手続きをすすめるわけにもいかず…

 

その場合には、公証役場や法務局、設立当時依頼した司法書士や顧問税理士に問い合わせることもできますので、全く手続きができないというわけではありませんが、いろいろ大変です。

 

 

 

 

 

 

 


【役員変更】忘れがちな代表取締役の住所変更

[ テーマ: 役員変更手続き ]

2017年2月16日14:20:00

株式会社の取締役の追加変更手続きのご依頼を受けて、その会社を訪問してきました。

会社がある場所は、比較的オシャレな街として有名ですが、まだまだ電柱や電線がごちゃごちゃしています。

 

会社代表者の住所変更を忘れずに

 

今回は、事前に株主総会(*)開催の日時、役員・株主等出席者の状況、選任された取締役の住所、氏名などを伺っていたので、必要な書類を受け取り、また書類に押印をいただくだけの予定だったのですが…

* 取締役を新たに選任する場合には株主総会を開催する必要があります。

 

代表者様の本人確認のため、運転免許証を拝見させていただいたところ―

たしかにそのご住所と登記簿謄本に記載されているご住所とが一致するのですが、念のため、免許証の裏を見ると、住所を変更したという記載がありました。

それもかなり前に引っ越されていたようです。

 

その点について指摘すると、代表取締役の住所まで登記されているという認識が無かったとのこと。

住所移転登記を忘れていたというよりも、そもそも変更登記をしなければならないことをご存じない方が本当に多い。

(ちなみに、株式会社の場合には代表取締役の住所だけ、有限会社の場合には取締役の住所が、合同会社の場合には代表社員の住所だけが登記されています。)

ということで、急遽、代表取締役の住所変更登記の申請も追加で行うことになりました。

幸い、当初予定していた取締役の追加変更登記と一緒に申請すれば、改めて住所変更について登録免許税を納める必要はありません。

とりあえず、登記の委任状に住所変更登記の旨も書き足していただき、また、今回は住所も確認できる資料が揃っていたので、一件落着、一石二鳥でした。

 

 役員の氏名・住所変更の登記

 

 

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代表取締役である取締役が辞任する場合の登記

[ テーマ: 役員変更手続き ]

2016年5月27日10:44:18

取締役が、A、B、Cと3人いて、Aが代表取締役の株式会社(ただし取締役会は設置されていない)で、Aが辞任するのでその登記をしてほしいという依頼をいただきました。

この場合、(1)Aは取締役を辞任するのか、(2)代表取締役のみを辞任するのか、(3)取締役も代表取締役も辞任するのか、を正確に聞き取らなければなりません。

 

(1)取締役を辞任する場合

取締役を辞任すると、自動的に代表取締役は「退任」となりますので、取締役としては「辞任」の登記を、代表取締役としては「退任」の登記を申請します。

 

(2)代表取締役のみを辞任する場合

代表取締役のみ「辞任」の登記を申請します。

なお、この場合、会社が規定している代表取締役の選定方法によっては、代表取締役の辞任にあたり、株主総会を開催しなければならない場合もありますので注意が必要です。

なお、代表取締役のみを辞任した場合には、取締役の登記はそのまま残ります。

 

(3)取締役も代表取締役も辞任する場合

取締役も代表取締役も同時に辞任する場合には、ケース(1)と異なり、どちらも「辞任」の登記を申請することになります。

辞任届にどのように書くかで変わってきます。

 

なお、代表取締役Aがいなくなった場合には、後任者をどうするのか決める必要がありますので念のため。

 

 

 辞任届とそれに押す印鑑について