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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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会社設立時の登録免許税が半額になる特定創業支援事業による支援

[ テーマ: 合同会社設立手続き ]

2025年5月26日11:35:41

更新 2025年05月26日

作成 2022年01月04日

会社設立の登記申請時に納める登録免許税

株式会社や合同会社など、会社設立登記を申請するにあたり、国に対して登録免許税を納める必要があります。

通常の登録免許税は…

株式会社、合同会社は資本金額の 0.7%(7/1000)ですが、最低税額が定められており、株式会社は15万円、合同会社は6万円と安くない金額となっています。

(例)資本金1,000万円の株式会社の場合、
 1,000万円×0.7%=7万円
ですが、最低税額が定められているので、登記申請時に納める登録免許税は15万円です。 

 

登録免許税額が半額になる制度があります。

このような高額な登録免許税額ですが、特定創業支援等事業による支援を受けることで、税額が半分に軽減される制度があることをご存知ですか?

創業支援事業者が実施する研修を受け、支援証明書(認定特定創業支援事業により支援を受けたことの証明に関する申請書)を登記申請書に添付することによって、登録免許税の軽減を受けることができます。

これによって申請する登記の登録免許税は、株式会社の最低税額15万円の場合は、7万500円に、合同会社の最低税額6万円の場合は、3万円と通常の半額です。

この制度は国ではなく市区町村が行っているため、市区町村によってこの制度がないところもあったり、利用できる条件が異なりますのでご注意ください。

詳細は … 登録免許税が半額となる創業支援等事業 をご参照ください。

なお、研修を受ける必要があるので、今すぐに設立したいという方には向いていませんが、このような制度がありますのでご紹介しました。

 

 

今回、ご依頼いただいた登記の内容は―

今回、特定認定創業支援等事業により支援を受け、その証明書を取得して、合同会社の設立のご依頼をいただきました。

東京都S区に本店を置く合同会社で資本金は200万円。

通常ですと、登録免許税は、

200万円×0.7%=1万4,000円

ただし、最低税額が6万円だから、納める登録免許税額は、6万円です。

ですが、今回の依頼者は、上記の研修を受けられており、その証明書もご用意いただいていたので、納める登録免許税は、3万円で済みます。

(ご依頼いただいたのが株式会社の場合には、最低税額15万円が7万5,000円に軽減されます)

(注)S区が交付する証明書で、他の区で創業する場合には登録免許税の軽減を受けることはできませんのでご注意ください。

 

なお、司法書士報酬等につきましては、申し訳ありませんが半額にはなりません

印鑑セット(実印、銀行印、角印)込みで、消費税込みの4万円の司法書士報酬をいただきます。

その他、登記簿謄本代、送料等の実費をいただきますのでご了承願います。

 

 合同会社の設立手続きについてはこちらもご参照ください。

 株式会社の設立手続きについてはこちらをご参照ください。

 

 

ご相談、ご依頼、見積もり書については、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。

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一般社団法人の代表理事を選任するには?~定款に「互選」の定めがある場合・ない場合の違いと登記実務~

[ テーマ: 役員変更手続き ]

2025年5月20日22:10:00

一般社団法人の役員(理事)の2年の任期が満了し、改めて理事を選任しなおす…

ここまではシンプルな話ですが、代表理事を誰にするかとなると、急に登記の難易度が上がることがあります。

難易度が上がるのは、「定款の定め」があるかどうかによって、選定手続きや添付書類が変わるためです。

実務では、「理事の互選で代表理事を決めました」というお話をよく聞きますが、定款にその旨の記載がなければ、その手続きでは登記できません。

今回は、理事会が設置されていない一般社団法人について、「代表理事を選定する」場合の登記について、定款の定めの有無により分かれる実務を整理してみます。

 

 代表を選定~互選

まず、理事の選任と代表理事の選任は別物だということを知ってください。

代表理事の変更登記を行う際は、まず理事として選任されていることが前提になります。

そして、理事の中から「誰を代表理事にするか」という話になるのですが、これを社員総会で決めるのか、それとも理事会で決めるのかは、定款の定め次第です。


ケース①:定款に「理事の互選により代表理事を選定する」等の定めがある場合

この場合、理事の互選会議で代表理事を選定することが可能です。

✅ 手続きの流れ:

  1. 社員総会で理事を選任する
  2. 理事の互選会議で、理事の中から代表理事を選定する

✅ 添付書類:

  • 理事・代表理事の就任承諾書
  • 新代表理事の印鑑証明書(重任・再任を除く)
  • 社員総会議事録(理事選任)
  • 理事の互選書(代表理事選定)
  • 定款(写しに原本証明の記載)
  • 法人から司法書士への委任状

✅ ポイント:

理事会での選定による登記をする場合は、「互選」の規定が記載された定款の写しが添付書類として必要です。

 


ケース②:定款に代表理事の選任方法についての記載がない場合

この場合、代表理事は社員総会で選定するのが原則です。

つまり、社員総会の場で、

  • 理事を選任し、
  • その中から代表理事を誰にするか

をまとめて決議する必要があります。

✅ 手続きの流れ:

  1. 社員総会で、理事と代表理事を同時に選任

✅ 添付書類:

  • 理事・代表理事の就任承諾書
  • 新代表理事の印鑑証明書(重任・再任を除く)
  • 社員総会議事録(理事・代表理事の選任を記載)
  • 委任状

✅ ポイント:

この場合、定款の添付は不要です。

その代わり、社員総会議事録に「代表理事として○○氏を選定する」旨の明記が必要です。

「理事に○○氏を選任する」とだけ書かれていても、代表理事を選んだとは認められませんので注意が必要です。

 


 

まとめ:手続きと添付書類の比較表

区分代表理事の選任方法添付書類定款の写し
定款に互選の定めあり 互選会議による選定 互選書 ほか 必要
定款に定めなし 社員総会による選定 社員総会議事録 ほか 不要

 

おわりに

代表理事の選定は、見た目には「誰をトップにするか」というだけの話ですが、登記の実務では定款の文言ひとつで必要書類が大きく変わるポイントでもあります。

定款に互選の記載があるかどうかで、「互選書+定款の写し」か「社員総会議事録」かが変わりますので、必ず定款の確認をお忘れなく。

 

 

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