[ テーマ: 株式会社設立手続き ]
2026年6月3日11:29:11
先日、少し興味深いご依頼が続きました。
① まずは会社設立のご依頼です。
依頼者の方から、 「令和8年5月30日(土曜日)を会社設立日にしたい」 とのご要望をいただきました。
しかも、この日は大安です。
起業をされる方の中には、会社設立の日付にこだわる方は少なくありません。
大安や一粒万倍日、誕生日、創業記念日などを設立日にしたいというご相談はよくあります。
以前であれば実現不可能でしたが、現在はそれができるようになりました。
会社は設立登記によって成立します。
ご存じのように、法務局は土曜日、日曜日、祝日は閉庁(=行政機関の休日)しています。
そのため、申請することができないので、以前は土日、祝日に会社を設立することはできませんでした。
「5月30日に会社を作りたい」 と言われても、司法書士としては 「申し訳ありませんが、その日は法務局が休みですのでできません」 とお答えするほかありませんでした。
ところが、令和8年2月2日の改正で状況が変わりました。
現在は法務局が閉庁している日の、土日、祝日を会社設立日とすることが可能になっています。
今回のケースでも、事前に必要書類を整えたうえで、5月30日(土曜日)を設立日として登記申請を行いました。
昔から実務をしている司法書士ほど、 「土曜日設立ですか?」 と少し不思議な感覚になるかもしれません。
時代は変わるものです。
② 一方で、同じ時期に別の会社から、 「5月31日(日曜日)付で支店を廃止したい」 というご依頼もいただきました。
こちらは日曜日です。
支店廃止の日を日曜日とすること自体には問題はありません。
例えば取締役の決定や取締役会の決議により、 「令和8年5月31日をもって支店を廃止する」 と決定すれば、その日が何曜日であっても支店廃止の日となります。
ただし、登記申請は別です。
5月31日は日曜日ですので法務局は閉庁しています。
そのため、支店廃止登記の申請は翌営業日の6月1日(月曜日)に行うことになります。
ここで少し面白い現象が起こります。
5月30日(土曜日)設立の会社については前日の金曜日に登記申請を行うことができる。
一方で、5月31日(日曜日)に支店を廃止した会社については、金曜に申請することはできず、申請は、翌日の月曜日に行う。
同じ週末の出来事なのに、取扱いが異なるのです。
登記制度は以前と比べるとかなり便利になりましたが、手続ごとにルールや取扱いが異なります。
「この日に会社を設立したい」 「この日に本店を移転したい」 「この日に役員変更の効力を発生させたい」 といったご希望がある場合には、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
昔なら不可能だったことが、今では可能になっている場合もあります。
今回の土曜日の大安設立も、その一例でした。
この制度変更、一番驚いているのは司法書士かもしれません。。。
ということで、1月1日元日に設立することができるようになったことで実務はどう変わるか、、、少なくとも年明け初日のバタバタ感はなくなりそうな予感がします。
執筆:司法書士 西尾努
(※本記事は一般向けの解説です)
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[ テーマ: 増資・資本増加 ]
2026年2月5日15:38:00
株式会社において、増資(募集株式の発行)を行う際、重要なのが「払込金額をどのように定めるか」という点です。
先日、募集株式の払込金額と算定方法について、頭を抱えるケースがありましたのでご紹介します。
株式会社は、募集株式を引き受ける者を募集するにあたり、以下の事項を定める必要があります。
払込金額は「具体的な金額」または「算定方法」のいずれかで定めれば足ります。
必ずしも「1株につき金〇円」と明示しなければならないわけではありません。
一般的なのは「募集株式の払込金額 1株につき金〇〇円」と記載する方法です。
しかし、増資総額と発行株式数の関係によっては、1株あたりの金額が割り切れず、1円未満の端数が生じることがあります。
例えば、総額400万円を15株発行する場合、1株あたりは 266,666.666...円となるケース。
そのため、引受人ごとの払込額が円単位で特定され、現実に払込みが可能であれば、1株あたりの額に端数が含まれていても、直ちに支障が生じるわけではありません。
会社法199条1項2号は、具体的な金額ではなく、算定方法により払込金額を定めることも認めています。
払込金額の総額を先に定め、それを募集株式数で割る場合、次のような記載が考えられます。
このように記載すれば、払込金額は総額と株式数から特定できるので、募集事項としての要件を満たします。
実際の払込みは引受人ごとに総額で行われます。
例えば、3名の引受人がそれぞれ6株、6株、3株と引き受ける場合、各自の払込額は以下の通り整数の円単位で確定します。
重要なのは、以下の3点。
募集株式の払込金額は、必ずしも「1株につき金〇円」と定める必要はありません。
総額と株式数の関係から算定方法として定めることも、会社法上認められています。
実務では、払込みは総額で行われるため、引受人ごとの払込額が円単位で明確であれば、1株あたりに端数が生じたとしても問題はありません。
執筆:司法書士 西尾努
(※本記事は一般向けの解説です)
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