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西尾 努2007年2月より(株式・合同)会社設立・役員変更・定款変更、相続登記等、登記業務を中心に行っています。

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【会社の目的】まさか、そんな事業内容・・・

[ テーマ: 商業登記 ]

2022年8月10日15:13:00

更新日 2022年8月10日

作成日 2010年2月23日

某株式会社さんから、定款変更の登記のご依頼をいただきました。

さっそく、定款、登記簿謄本を拝見すると・・・

 

ええっ! そんな事業内容が?

驚きました。

目的として、1番から10番くらいまで普通に、「◎◎に関する事業」のように書かれていたのですが、11番目に・・・

「前各号に掲げる以外の事業」

正直、こんな登記、初めて見ました・・・。

 

たしかに、会社法の施行以降は、事業内容(目的)の書き方については、それほどうるさくはなくなりました。

それにしても、これはスゴイ。

結局、どんな事業でもできるということですから。

「これを登記できるか・できないか」と聞かれると、「できる」という答えになりますが…

 

 

また、関連してこんな珍しい登記もみかけました。

「前(各)号に附帯する一切の事業」という文言は事業目的(目的)の最終行に入れるのが普通ですが―

変更登記手続きをご依頼いただき、登記簿謄本を見ていたら…え??という登記がされていて、思わず二度見。

 

登記簿謄本 事業目的の並び

 

1.不動産の売買仲介及び管理

2.前号に附帯する一切の業務

3.損害保険代理業

なぜか、真ん中に「前号に附帯する一切の業務」があったのです。

一般の方にはわかりにくいことかもしれませんが、毎日、登記簿謄本を見ていると、ん?てなります。

 

これはこれで問題はないのですが、ここからわかることは…

昭和59年設立時の定款には、おそらく

1.不動産の~

2.前号に附帯する一切の業務

と定款に規定があり、後日、損害保険代理店も始めるということで、3つ目に「損害保険代理業」を司法書士に依頼せずに本人申請の形式で追加されたのではないかと思われます。

追加だと思われる理由は、設立にこの規定の仕方だと、定款を認証する公証人が黙っていないこと。

どうしても設立時は、定款の認証に公証人が関わるので、

1.不動産の~

2.損害保険代理業

3.前各号に附帯する一切の業務

とそれを一番最後にもってくるはずです。

また、本人申請だという理由は、司法書士が登記を代行する場合に、そのような並びにすることはあり得ないからです。

公証人同様、最後に持ってくるはず。

なお、その場合、「前号」を「前号」にするのがポイントです。

「前号」だとその1つ前のものだけを指し、「前各号」だとその前にあるもの全部を指すことになります。

 

それにしても、法務局側も何の指摘することなく、その通りに登記をするんですね。。。

もうちょっと新設にアドバイスしてもよさそうなのに…(と言われても、株主総会で決議した事項ですから、簡単には修正できませんけど)。

 

 

 

  その他商業全般

  前各号以外の適法な一切の事業

 

 

定款(目的)の変更登記は、追加・変更・削除する件数に関係なく、

登録免許税3万円、司法書士報酬2万円(税別)で承ります。

 

電話によるご相談・お問い合わせ・お見積の依頼(無料)は、
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司法書士西尾へ直通 090-3956-5816(ソフトバンク)までお気軽に。

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【登記】十二直の指定、その後に九星の指定

[ テーマ: 商業登記 ]

2022年7月21日10:58:14

これまで何度か登記手続きのご依頼をいただいている依頼者さんから、今度はこんなご依頼をいただきました。

 

株式会社の取締役が今度の定時株主総会で任期満了となるので、重任の登記をしてほしい。

定期株主総会の開催日は、「7月29日の天恩日 ⓬建 ❻先勝」の予定です。

 

「承知しました、その日付で準備いたします」と返信したものの…

天恩日先勝はわかります、過去に何度か似たようなご依頼をいただいたことがありますし。

* 天恩日(てんおんにち)についてはこちらをご参照ください。

 天恩日とは

* 先勝(せんしょう、さきがち)についてはこちらをご参照ください。

 先勝とは

 

」って何?? 初めてそのようなご指定を受けました。

調べてみると、「健」は、十二直と呼ばれるものの中に含まれており、その十二直というのは、「建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉」の12種類からなる暦注の一種のことらしい。

そして、「健」は「たつ」と呼び、「万物を建て生じる日」ということで、最吉日なのだそう。

参考 開運 福来る info

 

・・・ということは、黒丸の意味は… ➏は六曜で、⓬は十二直の略だったのか、と。

十二直なんて、知りませんでした。

 

ついでに、もうちょっと詳しく2022年7月29日について調べてみると…

干支  癸未

五行  相剋

九星  八白

二十八宿  亢 

なのだとか。

 

大安吉日等の六曜、一粒万倍日、天赦日、天恩日、寅の日、母倉日、干支あたりまでは過去にご依頼をいただいたことがあるのである程度は押さえていましたが…

 申の刻に登記を申請してほしい、というご依頼

すべてに精通するのはムリですね。

 

 

ちなみに、今回のような役員の重任登記(役員変更)は、株主総会を開催、決議して被選任者が就任を承諾すれば、登記申請する・しないにかかわらず、その日に就任が確定することになります。

あとは、7月29日に重任となったことを2週間以内に法務局に登記申請すればいいということです。

29日が土日祝日年末年始であっても問題ありません。

 

これに対して、ご注意いただきたいのは、会社の設立のケース。

役員変更とは違って、設立の登記を申請した日が会社の設立日となる点で申請日が重要になります。

29日付で設立したいというのであれば、29日に登記を申請しなければなりません。

もし、29日が日曜日だった場合には申請先の法務局がお休みのため、申請ができませんから設立することもできなくなります。

 

そういった意味では、今回の役員変更登記のご依頼は、その日が平日かどうか確認しなくて済むので、ほとんどプレッシャーを感じることはありません。

土日祝日、ご自由に株主総会を開催してください、ということです。

 

 

2022年7月21日追記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

余談ですが―

その数日後に、7月21日に会社を設立して欲しいというご依頼をいただきました。

21日に設立ということは、21日に会社の設立登記を申請してほしい、ということです(繰り返しになりますが、申請した日が影響するのは(主に)会社の設立の時だけです)。

21日は、六曜では仏滅であり、なぜこの日に設立するのだろう、と不思議に思い、その理由を尋ねてみました。

すると―

21日が「七赤」だからだという返事をいただきました。

「七赤」…また新しいワードです。

とりあえず、七赤に設立する(申請時間の指定はない)お約束をして…帰ってから調べてみると、「九星」の中の1つらしい。

九星というのは、古代中国から伝わる民間信仰のことで、「一白水星・二黒土星・三碧木星・四緑木星・五黄土星・六白金星・七赤金星・八白土星・九紫火星」の9つの星からなり…

「七赤金星」生まれの人は、お金には困らないと言われているらしい。

つまり、七赤金星に設立した法人は、お金には困らないということか。

ということで、本日、2022年7月21日にその会社の設立登記の申請を無事に済ませました。

 

それにしても、「十二直」、「九星」、いろいろありますね。

暦を見ていると、ほかにも、「二十八宿」とか「五行」とかもあるようで、そのうち調べる機会もあるかもしれません。

 

 

 

 株式会社の役員変更登記手続きについて

 

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一人社会保険労務士法人の設立登記

[ テーマ: 商業登記 ]

2022年4月7日15:31:00

更新 2022年4月7日
作成 2016年4月12日

株式会社ではなく合同会社でもない、社会保険労務士法人

司法書士、弁護士、社会保険労務士、税理士…等の士業は個人事務所(個人事業主)が多いのですが、法人形態にすることも可能です。

法人形態にする場合には、それぞれ司法書士法人、弁護士法人、社会保険労務士法人、税理士法人…等、○○士法人という、株式会社でもなく、合同会社でもない特殊な法人を設立することになります。

 

1人でも設立できる社会保険労務士事務所

○○士法人を設立するにあたり、社員となる○○士の員数の条件があります。

社会保険労務士は、これまで複数の社労士社員が必要だったのですが、平成28年1月から制度が変わり、社労士1名でも社労士法人を立ち上げることができるようになりました。

* われわれ司法書士が設立する司法書士法人も令和1年8月にようやく司法書士1名の司法書士法人の設立が認められるようになりました。

 

定款の記載事項について

一人社労士法人を設立する際、定款を作成するのですが、定款には記載しなければならない「絶対的記載事項」があり、

  • 目的
  • 名称…「○○社会保険労務士法人」など
  • 事務所の所在地
  • 社員の氏名及び住所
  • 社員の出資に関する事項
  • 業務の執行に関する事項

これらが絶対的記載事項ですが、とくに気になるのが、「社員の出資に関する事項」です。

全国社会保険労務士会連合会が出してる「社会保険労務士法人の手引」によれば、

出資の種類(通貨、債権、不動産、労務、信用等)を具体的に特定するとともに、 出資の価格、評価の基準等を記載する。

とされています。

出資の価格については登記されない(=登記簿謄本に記載されない)ため、いくらなのかは定款を見なければわからない事項ですが、これまでご依頼いただいたケースでは、ほとんどが多くて数十万円、なかには数円というものもあり、どうアドバイスすればいいものか…、会社と違うので悩むところです。

 

当事務所に1人社労士法人設立のご依頼をいただく際にご用意いただきたいもの

社労士法人の設立登記の手続きをご依頼いただく際にご用意いただきたいものは―

  • 社会保険労務士法人の社員資格証明書
  • 社員の個人の印鑑証明書、実印
  • 社員の写真付身分証明書(コピーをいただきます)
  • 社労士法人の法人印(当事務所でもご用意することができます)

 

当事務所にご依頼いただく場合の登記費用

登記費用は、(1)登録免許税・定款認証費用、(2)司法書士報酬、(3)実費を合算したものとなります。

(1)登録免許税・定款認証費用

登録免許税 0円(登録免許税は納める必要がありません)

定款認証費用 約5万2千円

(2)司法書士報酬 5万円(税別)

なお、社労士法人の印鑑セット(実印、銀行印、角印)が必要な場合には、別途5千円(税別)でご用意いたします。

(3)登記完了後の登記簿謄本、印鑑証明書、送料等の実費

 実費の詳細

 

 

(関連記事)

 1人社労士法人に社労士を追加する登記手続き

 1人社労士法人設立登記手続き

 

余談ですが―

当(司法書士)事務所は、法人ではなく、個人事務所です。

法人化すれば、決算月(個人は12月)を自由に設定できるようになったり、一定の場合に設立後2年間は消費税の免税業者になったり、他にもメリットがあるのかもしれませんが、今のところ、法人化する予定はありません。

 

 

一人社労士法人の設立について、ご相談、お見積もり書(無料)、ご依頼いただく場合は、下記にお電話、またはメールによるお問合わせをご利用ください。

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